『 週刊 Hanko 』 550−2号

クラリネット四重奏の話・その2


 先日1万円札を出して8000円のおつりをもらったら、半分が「野口英世」さんでびっくりしました。これからはどんどん新札が増えてくるというのに、なぜか野口さんを出したくないのはなぜでしょう…。「樋口一葉」さんにも早く会いたいわ〜。でも「聖徳太子」を残しておかなくて後悔しているので、今度は旧札のピン札をちゃんと確保しておこうっと。

◆クラリネット四重奏の話・その2◆
 クラを吹くには「リード」が必要です。「リード」とは、マウスピースにつける、葦の薄い板?で、正に音源。ところがこれが1枚1枚出来が違って、厚いリードだと、常に風船をふくらまし続けるようなもので苦しくて目がまわる。薄いリードは楽に音が出るが、ベラベラした安っぽい音になり、高音が下がる。ちょっと厚めのリードを時間をかけて吹き慣らし、使い込んで安定したリードに育てるのが望ましいが、学生を卒業して以来、そんな時間も根性もない!というわけで、クラ吹きにとって「リード選び」は悩ましいものなのです。(1箱10枚入りで約2000円〜)
 ※いつかオーボエ吹きの人(プロ)にも聞きましたが、オーボエのダブルリードはクラよりずっとデリケートで、何ヶ月も前から、演奏曲目と当日の天気等を予想して調整していくのだと言っていました。(…楽器やるなら、こんな面倒な消耗品のないフルートの方がいいよ〜。)

 ところが!今回は素晴らしいリードに巡り会ったのです!もう30年もクラを吹いてきたけど(!)史上最高と言えるほど!それはそれはもう吹きやすく、音もよく、私は天才か!?と錯覚するほど気分良く練習できたのでした。

 ところが…!
 幸せは長く続かないもので(!?)、吹きやすいリードの寿命はあまり長くないのです…。(美人薄命っていうしね?) 本番までもて〜〜!という祈りむなしく、1週間前になって、くたびれて音の出ないリードになってしまいました。(が〜〜〜〜ん…!)
 ほかのリードでは思うように吹けず、やはり私はリードに左右される「凡才」だったと落ち込み、あと数日だというのに練習中断。しかし前日の夜、何十枚ものリードを端から吹きまくり、やっとなんとかなりそうなリードを1枚発見しました。ちょっと薄いので、曲の最後までもつだろうか…という一抹の不安もありましたが、…これに決めるしかありません。

 そして迎えた当日。
 練習しすぎるとリードがダメになるかな〜…などと情けない心配をしながらリハーサル。でも本番は、なんとか無事、「今の私」にはここまで…と思える演奏ができて、すっきりさわやか…少々ぐったり…でありました。やはり、「君しかいない!頼む!」と何度もリードに言い聞かせたのが良かったのでしょうか。だってその夜、市吹の練習でそのリードを使おうとしたら、もう全然音出なかったもの…。ありがとう、ありがとう、リード君!!すべては君のおかげだよ!
(でも市吹に復帰してなかったら、この曲を吹き通すのは無理でした。タイミングも良かった!)

 今回は内輪の発表会だったので、聴衆は20人くらい?皆さん、下手な演奏も大目に見て下さる心優しい方々ばかりで恐縮しました。聞きに来て下さってありがとうございました。
 また、教会の礼拝堂を借りてやったのですが、気を利かせてお茶の用意をして下さった教会の方には本当に感謝です。おかげさまでサロン・コンサートのように和んだ雰囲気になりました。

 考えてみたら、弦と合わせて四重奏を吹いたのは初めてでした!モーツァルトを吹く機会なんて、滅多にないのです。実は、自分の下手さ加減は棚に上げ、「CDのテンポで弾けない弦」に少々不満があったのですが、(^^;)、それでもとても楽しめたので、水に流しましょう!?
 モーツァルトの「クラリネット四重奏曲(K.378or317d)」、チャンスがあったら聴いてみて下さいね。(^^)

2004. 11. 29  斎藤 範子(Hanko)



☆感想のお便り、お待ちしてます。 hanko.saito@nifty.ne.jp

『週刊 Hanko 』 メニュー →
Abu Saito TOP PAGE →