『 週刊 Hanko』362号
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 外の水道をひねったら,とぐろを巻いていたホースの中から7〜8cmの氷の棒がじゃらじゃらと出てきました。発育不良のおたまじゃくしがいた池(水たまり?)も,すっかり氷っています。寒くなりました。でも黄梅は今年もかわいい蕾をほころばせました。
 週末,おだやかな天気だったので,久々に家族でお散歩。やはり子供は外で遊ぶのが一番楽しそうですね。(^_^)

◆昨年の反省◆
 昨年の目標は「約束(特に時間)を守る」でした。
 呑気な斎藤家には,かなりプレッシャーの強い目標でしたが,「斎藤家標準時」と称して旦那が家じゅうの時計を(車のも)10分進めてセットし,これで多少は効果があったのではないかと思います。時計を進めても,進んでるってことを知っていればダメ…という説もありますが,10分前に時計の鐘が鳴ってくれると大変ありがたい。これをかなりアテにして生活しているこの頃です。^_^;
 昨年末の大掃除の時に,今度は15分早めてセット。当然今年も「時間厳守」は我が家の課題です。ま,来年もさ来年も,半永久的に,でしょうね。^_^;

◆今年の目標◆
 前回の週刊Hankoを書きながら,今年の目標は「自己啓発」だなぁと思っていたのです。読書もクラも習字も料理もあれもこれも全部含めて「自己啓発」。
 でもなぁ。「自己啓発」なんてのは,今年に限らず一生心がけるべきことだし,これじゃ漠然としていて結局何もできないかも…。というわけで,考えました。

 今年の目標は「名作に触れる」です。(^_^)
 まだしばらくは,子育てに追われる身。無理してアウトプットに時間を注ぎ込もうとするよりは,とりあえずインプットに力を入れて過ごそう,と。
 小説でも映画でも音楽でも美術でも,ジャンルは問わず,世の中で「名作」と言われているものを,意外と見落としてきているので,今年はそれを見直してみようと思います。長い歴史の中で多くの人に愛されてきたもの,高く評価されてきたもの…というのは,やはり何か違いますよね。今現在の「話題作に触れる」というのも必要かもしれないけれど,時代にふりまわされず(もうすでに乗り遅れているので!?),「時代を越えた名作」にこだわってみようかと思います。
 読んだり見たりしたものは,できるだけこの場でご紹介してみたいと思います。1年間でいくつご紹介できるか,ちょっと楽しみ。:-)

◆Hankoの名作シリーズ1:「アンナ・カレーニナ」◆
 トルストイの不朽の名作「アンナ・カレーニナ」。昨年,ソフィ・マルソー主演の映画を見た…という人の話を聞いて,本を読みたいなぁと思っていたら,先日図書館でコレの「ジュニア版」を見つけて,思わず借りてしまいました。原訳を読みたいのはやまやまですが,時間がない。読まないよりは,ジュニア版でも読んだ方が良かろうというワケです。
 「戦争と平和」と「復活」の間に書かれた長編三部作の1つ。でもこれが一番完成度が高く,「芸術小説の手本」「完璧な小説」などと評価されているようですね。
 昨年,ドストエフスキーの大作「白痴」で泣かされた記憶があるので(結局まだ読みかけ^_^;),あまり期待せずに読み始めましたが,これが面白くて面白くて,3日で読み終えました(ジュニア版と言えども上下2段の263頁)。

 二十歳も年上の男と政略結婚させられたアンナが,美顔の青年将校と恋に落ち,最後は線路に身を投げて死んでしまうというお話。…ですが,この多彩な人間模様!登場人物一人一人のドラマには,小説とは思えない世界の広さ深さを感じます。様々な心のときめき,葛藤,とまどい,怒り,妬み,etc.…そのどれもが切実。特に,アンナの子供を思う気持ちには胸が痛み,男心と女心の見事なすれ違いや,恋愛と結婚のギャップにうろたえるあたりは,ついニヤニヤ。^_^;
 普段は私が読んでいる文芸小説など手を出さない旦那が,「推理小説みたいに面白い!」と言って読みふけり,我慢しきれず,途中を飛ばして最後を先に読んでいました。

 その後早速ビデオ屋さんに飛んでレンタルビデオ。さすが名作,もう映画化は何度となくされているようですが,富岡には1本しかありませんでした。'35年の,グレタ・ガルボ主演の物。(8年前の'27年にハリウッド初の「アンナ・カレーニナ」が,やはりガルボ主演で撮られています。これは1/30にWOWWOWでやるらしいですね)
 さすがに小説の方がずーっと深みがあって面白かったですが,映画は豪華絢爛,美男美女の俳優を見て楽しめます。ほかに,クリストファー・リーブ(スーパーマン)が将校役とか,あの「風と共に去りぬ」のビビアン・リーがアンナ役とか,いろんなバージョンがあるらしい。ん〜〜,見たいなーっ。

 ところで,映画を見たあと,旦那曰く。「私が読み飛ばした所は映画でもカットしてたらしいね。私の読み方は正しかった!」…!?

 それにしても,こんな愛と葛藤に満ちた物語を「ジュニア」が読んで,一体どこまで味わえるものでしょうか? やっぱりそれなりに時間と経験を積まないとねぇ。^_^; 私のような「原作を読む時間がない大人」のためにこそ,ジュニア版はある!と確信したのでした。なんか得した気分〜。(^_^)/

1999. 1.18 斎藤 範子(Hanko)



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