『 週刊 Hanko 』 366号
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 今年初めての大雪が降りました。スキー場さながらの勢いで,1時間でみるみる4〜5cmも積もりました。夏希が大喜びで小さな雪だるま?(自称)を作り,おじいちゃんと一緒に雪うさぎも。2度も3度もズボンを汚して着替えたり,しもやけが痛いと騒いだりしましたが,とても楽しそうでした。あっさりやんでしまいましたが,翌日,屋根からおっこちてくる雪が,あやうく春歌に命中するところでした。^_^;

◆格安レタス◆
 昨日,行きつけの八百屋さんに行ったら,見事に大きいレタスが,ななんと「2個で100円!」。迷わず購入。いつも「安くておいしい八百屋さん」とは言え,この時期にこの値段!どうして??と訪ねてみましたが理由はわからず。ひょっとして,埼玉産だからかな??などと,最近のニュース記事を読んで思ってしまいました(児玉郡神川村のレタスでしたが)。
 ダイオキシン関連の誤報道(久米さんの?)で,所沢の野菜は売れ行き不振になってしまったとか?間違いだったとわかったところで,サブリミナル効果というんでしょうか,一度根づいた猜疑心はなかなか晴れないのでしょうね。大変大変。
 「ダイオキシン 色をつけたら ノーベル賞」という川柳を新聞で見かけましたが,ほんとに目に見えるといいですね。食べられる物がなくなるかもしれませんけどね。^_^; でも2個100円のレタスはずっしり重くてパリパリしていてとてもおいしかったですよ。

◆89歳の誕生日◆
 夏希の曾祖父にあたるおじいちゃんが,20日に89歳の誕生日を迎えたので,お赤飯をたいてお祝いしました。夏希の曾祖父母…というのは全部で8人いるわけですが,健在?なのは一人だけ。貴重な存在です。
 ところで,夏希は大のお赤飯好き。普段の2〜3倍をぺろりと平らげます。お赤飯が終わってしまうと「今度いつ作ってくれるの?」と泣きべそをかくほど。今回も,お茶碗をかかえるように黙々と食べていました。「ママ,お誕生日にお赤飯作ってくれて,ありがとネ」と小首をかしげて感謝して,いったい誰の誕生日だかわかっているのか?^_^; …,ま,彼女にとっては誰のでもかまわないんでしょうけどね。^_^;

◆Hankoの名作シリーズ3:「ガリヴァー旅行記」◆
 ガリヴァーが,日本にも来ていたなんて,御存知でしたか?しかも「ラピュタ」経由で!
 宮崎駿さんの「天空の城ラピュタ」の中に,「スウィフトが『ガリヴァー旅行記』の中でラピュタについて書いているけど,あれは空想なんだ」というセリフがあって,そんなの全然知らなかったから,いつか確認しようと思っていました。これまた図書館でみつけて,借りてきたのは福音館古典童話シリーズ。と言ってもちょっとスゴい。本文586頁,厚さ4cm以上の辞典のような本です。
 早速ラピュタの所を読んでみましたが,意外や期待はずれ。ラピュタに住んでいる人がちっとも魅力的でない。ヘンな人たち。どうして?と,先に「あとがき」を読んで初めて納得しました。

 子供の頃に読んだガリヴァーは,小人国(第1編)と大人国(第2編)に行った空想物語だけでした。これは当時,児童書として適切でないという判断で,大幅カットされていたためで,1〜2編は全体の約半分にすぎません。後半は当時の痛烈な風刺が色濃い作品で,ラピュタや日本(第3編),馬の国(第4編)について書かれています。
 もともと,児童向けではなく大人向け,しかも楽しませるためでなく怒らせるために,作者スウィフトの名前を伏せて,1726年にイギリスで出版されたそうです。確かに,医者や弁護士や政治家や,学者や何かが,これでもか,と言うほど皮肉たっぷりに描写されています。時として登場人物が魅力に欠けるのも,そのせいでしょう。
 それにしても,第4編の「馬の国」はまた格別です。フウイヌムという理知と理性に富んだ馬の世界に,ヤフーという人間そっくりのけだものが家畜として飼われていて,ガリヴァーはそこで暮らすうちに,自分もヤフーと同類であると思い込んで絶望に陥る…というものです。フウイヌムは完璧な理想的存在であり,ヤフーは人間の醜い部分の象徴として描かれています。確かにそれがすべてではないけれど,否定できない愚かさを見せつけられて,色々と考えさせられます。几帳面に理想を追うと生活しにくいだろうけれど,まぁこんなもんだ,と妥協することに馴れてしまうのも,どうか。落ちていくのは簡単ですものね。

 ところで,これは16年7カ月に渡る旅行記です。ガリヴァーは結婚していて小さい子供もいたのに(馬の国に行く前は,奥さん妊娠していた!)ほったらかしで旅に出掛け,挙げ句の果てに,馬の国から帰ってきた時は,ヤフーに似ているという理由だけで家族さえ憎悪と嫌悪の対象になり,再会に感激した奥さんの抱擁とキスに気を失い,それから1年そばにいるのも我慢できず,5年もたってやっと,食卓の向こう端に座って話をするのを許した…という有り様。この仕打ちに耐えた奥さんはどういう人なのでしょうか。彼女を主人公にして「辛抱物語」ができそうな気がします。忍耐の苦手なB型人間としては,絶対に見習いたくないタイプの女性ですね。^_^;
 でも,殿方にとっては理想の奥さん像なのでしょうか?? (^_^)

1999. 2. 22 斎藤 範子(Hanko)



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