『 週刊 Hanko 』 377号
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大切なことは、砂場で?自然から?親から?本やビデオで?


 梅雨本番?先日,九州・近畿地方の豪雨をニュースで見ました。すごすぎる。ズボンをまくりあげてヒザまで水につかりながら駅に向かっていた人々は,果たして電車に乗って目的地にたどり着けたのでしょうか?走る車も船のよう。事故で車の中で溺れた?というニュースも聞いたような…。そんな日に外出ちゃダメだよ〜。

◆夏バテ対策◆
 どうも連日の暑さと雨とで体調がイマイチ。立ち眩みと脱力感で,くたっ…と,まないたのイカ状態で数日過ごしていたら,見かねた旦那が恒例『特製レバニラ』を作ってくれました。なんだか元気が出たような気がして,そういえば暑くて食事も手を抜いていたからなぁ…と反省し,それから気合を入れて夕食の準備をしています(!?)。そしたらけっこう元気だったりする。^_^; 皆さん,やっぱり基本は食事ですよ。
 先日,かすみちゃんのママが「新ジャガでポテトスープ作ったから飲んで」と持ってきてくれたので,昨日は貧血対策に作った「ひじきの煮物」をおすそ分けしました。ひじき+切り干し大根+人参+しいたけ+ちくわ+コーン(あれば+油揚げも)。大豆の代わりにコーンを入れると色合いもいいし子供のウケもよいのです(ばくばく食べます)。
 で,今日はお礼にと,もやしを山ほどいただきました(隣の家がもやし屋さんなんだって)。旦那がもやしのお味噌汁大好きでねぇ,ありがとう…と,会話がかなり所帯じみている今日この頃。^_^; 主婦やねぇ。

◆難解「春歌語」◆
 二語文が多くなったものの,単語がむちゃくちゃで難解を極めている春歌語。ヒマと興味があれば挑戦して下さい。「あじょー」と「いんこんこん」には,かなり悩まされました。^_^;
◇例文◇
 1.「あじょー!あじょー!トイレ!みる!」
 2.「あめー!あっぱんもー!いんこんこん!」
 3.「お・はーん,ぱらい,ぱらい!」
 4.「おっぱまー。ん?おち!たべる!」
◇和訳◇
 1.しまじろうの,トイレトレーニングのビデオが見たい!
 2.だめ!春ちゃんも(ほしい)。はんぶんこして!(と夏希に頼む)
 3.ごはんにふりかけかけて!
 4.ごちそうさま〜。ん?とうもろこしがあるの?たべる!

◆「少年A」とその両親に学ぶ◆
 2年前,日本中を騒がせた神戸の少年Aの両親が書いた本,『「少年A」この子を産んで…』,本屋さんで見かけた方も多いかと思いますが,先日義父が買ってきて薦めてくれたので,興味本位で読んでみました。
 子育てにどんな問題があったのか…。当然わいてくる疑問でしたが,全部読み終わっても謎は解けず。これを読んだ限りでは,ごくごく普通のご両親のように思えました。多少他人の手も加わった文章かもしれないけれど,事件発覚後の父親の手記も,母親が残していた少年Aの育児日記も,世の親たちがする子育ての努力や苦労を,特別怠っているようにも,やりすぎているようにも,私には思えませんでした(旦那は,ビデオなどメディアからの悪影響や,母親がひどい肩凝りでオンブを一度もしなかったことなどが気にかかっていたようですが)。
 でも鑑定書には「Aは良い祖母,悪い母親に囲まれて幼少期を過ごした」と記述されていたそうです。本当にそうだろうかと,疑問…というより,その断定的な物言いに不満を覚えました。

 一人の人間が形成されていく過程における,決定的な影響の善し悪しを考察することに意味はあるだろう。一番身近な母親の影響は当然大きいだろう。悪い物に明確な原因があれば安心もできる。でも「悪い母親」とは何か。
 これは,どうしても頷けない,安直に感じられる表現でした。

 体の病に突然変異や原因不明のものがあるように,心の病にだって,説明できない経緯を辿って発生するものがあるのではないか。例えばそれを誘発したのが母親であったとしても,それは後で振り返って文章になどできないような,一瞬の表情だったり,仕種だったり…そういう極めて日常的な,本人も気づかないような,もちろん悪意のない,小さなことが積み重なった結果であったりはしないだろうか…。
 そういう意味では,誰も安心なんかできない。…,そうだこの本は,自分は大丈夫だと安心するために読むのではないんだと,読み終わって初めて実感したのでした。

 「子育ての失敗」について学ぶのではなく,「加害者の親(家族)」としての苦悩を通して事件の真実を知る本なのでした。被害者側の立場にはなれても,加害者側には立ちにくい。同情の余地など全くないように感じてしまう。自分はそんな子供を育てたくはない…ということは考えても,今彼らがどんな気持ちでいるかまでは思いが及ばない。でも実は,子供に裏切られた上に,「世間」を敵に回し,償いきれない命の重みに,耐え難い苦しみを味わっている。
 罪は罪として背負っていかなければならないと思いますが,同時に背負うことになる,極めて人間らしい苦悩に対しては,同情したい気がしました。
 「よい親」であり続けるのは本当に難しい。でもそうあろうとする世界中の人々の努力が,どうか報われますように,心から祈ります。

1999. 7. 2  斎藤 範子(Hanko)



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