『 週刊 Hanko 』 399号

新聞の弊害、 読書会「谷崎潤一郎」 & 無茶々園


 雪が降る降る…というウワサばかりで,まだ積もるほど降ったことがありません。でも大雪の予定日が,おじいちゃんの卒寿のお祝いの日だったので,これは裏切られて助かりました。親戚の方々が集まって下さり,おじいちゃんも嬉しそうでした。(^^)

◆新聞の弊害◆
 先月末から新聞をとり始めました。
 旦那は職場に行けば新聞があるし,私は母屋でとっているのを見せてもらったり,実家に帰った時に読んだりして,特に不便を感じていなかったのですが,コワそうなおじさんが二人でおしかけてきて,貢物を山と積んで,半ば強引に3カ月分契約していったのです。
 新聞をとり始めて愕然としたのは,アレが毎日届くんですね!(当たり前か) ちょっと忙しいからあとで…と思っていると,翌日には倍になる。翌々日には3倍になる!確実に増え続けるので,古いのはもういいや…と読まないで片づけてしまうのも悔しいから,とりあえず開いてみる。けっこうおもしろい記事もあったりして,つい読んでしまう。時間がたつ。あ,もうこんな時間だ!やばい!…
 ってことで,ないヒマがますますなくなり,それでもナゼか毎日律儀に読んでしまい,今週は読書会があったというのに,本が読めなくてイライラしました。新聞で読んだ活字の分だけ本が読めたら,もう1冊くらい軽くいけたのに…!
 やっぱりとるんじゃなかったと後悔半分,新聞くらいは読むべきだ…と反省半分。打ち切るか継続か,3カ月後の決断はいかに!?

◆読書会◆
 教会でやっている読書会,今回は谷崎潤一郎でした。今回,「細雪」のような長編は最初から諦め,うすっぺらい本を3冊選んで自分の課題としたのですが,前述の新聞の影響でギリギリまで読み上がらず,かなり焦りました。谷崎と言うと,「卍」だの「鍵」だの「痴人の愛」だの,どこか歪んでいるような気がして,あまり好きではなかったのですが,今回彼なりの思想[*1]というものもある程度理解できたし,「猫と庄造とふたりの女」という,(私の中の)彼のイメージを一新するような本も読めて,楽しかったです。(「猫と…」はオススメです。薄いし笑えるしで,するする読めます。)
 実は今年度で,今の牧師が退任するので,今回が最後の読書会となりました。お昼に牧師夫人のカレーを食べながらのおしゃべりは尽きず,名残惜しい物が…。私が読書会をとても楽しみにしていたのは,日頃のおしゃべり不足を本の話題で一気に解消できたからかもしれません。(でも「谷崎は佐藤春夫と奥さんをとりっこした」とか,「谷崎は実はマゾだった」とか,そんなことばかり印象が強烈で,学生時代から進歩ないんですが。^^;)
 新しい牧師先生もこの読書会を引き次いで下さればいいなと期待しています。(ご夫婦そろって私と同い年の牧師です。今から楽しみ)

[*1] 乱暴に要約すれば,人間は何か(人・富・道楽等)に隷属することに生きがいを感じる,それは何者かの前に敗れることによって初めて人間たりうるということだ…というようなモノです。彼が「悪魔主義者」のようなレッテルを貼られてしまったのは,「美」と「悪」とは,人間に隷属を強いることによって人間に至福をもたらす…という意味においてほとんど同意語としていたからのようです。(解説の受け売り…^^;)

◆無茶々園◆
399a.jpg (17724 バイト) 無農薬でみかんを栽培している「無茶々園」というのを御存知ですか?私は幼稚園で注文をとっているのを見て初めて知り,購入してみたらあまりの味の濃さにびっくり!! 箱の中には,農薬使用状況が書かれていて,みかんの方は,異常気象で病害虫が異常発生したため,化学農薬を2回ほど使用したらしいですが(一般園では殺虫剤・殺菌剤混用で7〜8回散布),伊予柑・ポンカン・ネーブル・甘夏柑は,除草剤・科学肥料・ワックス等含め,'95年以来ずっと無農薬のようです。
 このこだわりの無茶々園の「おっちゃん便り」というのも同梱されていて,これも楽しみの一つ。伊予柑の箱にはいってきたものを,ご紹介します。

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 〜生活と季節と〜
 久し振りにかあちゃんと町のスーパーに行っちみたら,なんとまあ!トマトを売りよりました。前にも見た事はあったんじゃが,ちゃんと買う人がおるんじゃね。ハウスで作っちょくるんじゃろうけんど,うもうもない作物を作る農家も“背に腹は変えられん”ちゅう所かのう。ほやけんど,子供んとき,夏休みに思いっきり遊んだ後,よう熟れたトマトに塩ぶっかけち食ったうまさをどうしちくれるんじゃぁ!!トマト→夏→日差し→・・・・ちゅう“トマト五段活用”みたいな連鎖思い出がないもんなぁ。旬の物を食う楽しみは,今の時代お金出せばいつでん買えるけんど,旬を待つ楽しみや待ちどうしさは,よっぽどがまんがないと手に出来ん。豊かになればなるほど,金に変えれんものがわしらの世界から潮がひくようにゆっくりとのうなっちゆくんやねぇ。
 いっつも秋に「無茶々園のみかんを待ってました」っちゅう葉書を頂くたびに,ハウスみかんが遠いものになってゆくのでした。

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※無茶々園
  愛媛県東宇和郡明浜町大字俵津
   宇都宮 泰・クニ子 Tel 0894-65-0456

2000. 2. 27  斎藤 範子(Hanko)



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