『 週刊 Hanko 』 436号

ハンセン病訴訟「控訴断念」!! 古沢丸事件?& 清里に行ってきました


 梅雨を目前に,天気予報の気になる季節になりました。「雷を伴う夕立」も多く,うっかり布団を干しっぱなし…なんて許されませんね。^_^;

◆「ハンセン病訴訟 政府が控訴断念」◆
 5月24日朝刊のトップ記事,見出しを見るなり,「やったーッ!!」
 「何?どうしたの?」と驚く子供たちも,「ばんざーい,やったー!小泉さん偉い!」と騒いでいる私につられて「良かったね,ママ,良かったね!」と一緒に(わけもわからず)喜んでいました。
 11日に原告側全面勝訴の判決の後,政府は控訴する方針などというニュースを聞いて「控訴なんかしたら許さないからねッ!小泉さん支持しないよ!」と旦那に向かって喧嘩を売っていました。ハンセン病の人がこんな苦渋をなめていたとは,この裁判を機に特集された新聞の連載記事で初めて知りました。信じ難い残酷な話ばかり。中でも,らい病者は隔離して根絶やしにするという政策のため,強制収容された療養所内では,結婚は断種が条件,もし子供ができても堕胎しろと言われ,妊娠7カ月,9カ月の胎児までもひきずり出し,産声をあげているのに,ガーゼで顔を覆ったり,顔を水につけたりして殺された…「あれは堕胎ではなく人殺しだ」という話には,一母として猛烈な憤りを覚えました。こんな悲惨な現実を全く知らずにいたということは,それだけ徹底して隔離されていたことに他なりません。裁判に到る道のりが,どれほど筆舌に尽くし難いものであったかを思えば,控訴など!!

 でも,小泉さんの「英断」を讃える多くの記事の中,元多摩全生園長の成田さんの言葉はずっしりと印象的でした。「ハンセン病とはどういう病気だったのか,今はどうなのか。療養所がなぜ存在し続け,今後も残すのであればどう残すのか。こうした歴史や現在が論議され尽くしたとは思えない。…それなしに本当の意味での社会啓発はないと思う。」
 5/27毎日新聞朝刊「時代の風」で,瀬戸内寂聴さんもこのことに触れていました。70年ほど前,らい病は遺伝によるものと信じられ忌み嫌われていたが,ハンセン氏が菌を発見して伝染病とみなされた。現在では新薬プロミンによって完治する病となり,正しくは慢性細菌感染症で伝染力の非常に薄い物だとわかっている。が,それは一般には伝わらなかった…。
 正しい認識は絶対に必要です。政府が謝罪して償えば済むのではなく,何も知らず彼らの犠牲の上に平和な暮らしをしていた私達にとってはこれが始まり。目を向け,耳を傾けていきたいと思いました。

◆「古沢丸事件」?◆
 ところで,最近の私の主な情報源は,朝晩に台所で聞くラジオなのですが,今日は「古沢丸」のニュースばっかりだなぁと思っていた日の翌日,朝刊の見出しは「プルサーマル拒否」でした。あらあら。^^;
 プルサーマルとは,「プルトニウムをサーマル炉(熱中性子炉)に利用すること」の,和製省略語だそうです。プルトニウムって原爆の材料で,サリンやダイオキシン並の猛毒?でしょう??そんな危険な物を利用して,絶対安全なんてことがあるのかしら。人間のやることに完璧なんてないのよ,多分。どんなに安全だと説かれても,うちの近所でやると言うならやっぱり「No」だと思います。民意を反映して刈羽原発のプルサーマル計画は先送りになったそうですが,これも先行きが注目されますね。
 …すごいでしょ,最近マジメに新聞読んでるのよ(部分的にだけど)。これも小泉旋風の威力かも。^^;

◆清里に行ってきました◆
 某雑誌で,「保母経験者の奥さんが離乳食も用意してくれて,赤ちゃん連れの方大歓迎のペンション」を紹介していたので,友達と行ってみました(真希は離乳食まだだけど)。その名も「にちようび」。いつでも日曜日のようにくつろいでほしい…というモットーの通り,すっごくくつろいだ気分!客室の並びに子供部屋があり,これが四畳半あるかないかの部屋なのに,オモチャも絵本もたくさん!ここで誰かがカタパタチンジャラ…と遊び始めると,ドドッとすべての子供たちが集まってきて,初対面だと言うのにちゃんと年上の子が小さい子の面倒を見てくれてたりするから素晴らしい!その間,親たちは部屋でのんびり…という具合です。
 436a.jpg (5753 バイト)おいしい夕食(食材が豊かでびっくり)を味わった後は,子供たちの出番。明日の朝食で食べるパンを,自分たちで作るのです。アンパンマン,うさぎ,スマイル,怪獣etc..。粘土感覚で皆楽しいパンを作り,朝にはしっかり焼き上がって食卓に並びました。オススメのペンションです。 ※ペンションにちようび
436b.jpg (10931 バイト) その後,牧場で初めて引き馬に乗り(感激!),おいしいお蕎麦とアイスを食べ(清泉寮のチョコレートソフトは最高!),高原の風の中,ぷらぷらお散歩して帰ってきました。下界は真夏日&夕立だったらしいのに,久々にのんびりの週末で感謝でした。

 ところで,清里のすぐ近くに,私の教会の前任牧師が退職して住んでいらっしゃって,ペンションに行く前に少しだけお寄りしました。林の中の別荘地に,お二人仲良く絵を描き,畑を耕し,まさに晴耕雨読の毎日と,その生活ぶりをうらやましく拝見させていただきました。お二人で大好きな山歩きも楽しんでいらっしゃるそうです。436c.jpg (7174 バイト)在任中は仕事柄,ほとんどお休みもなく心身共にお疲れだったと思いますが,お二人揃って健康を守られ共に過ごせるというのは,神様からの何よりのプレゼントのように感じられました。私達も,子育て・仕事に追われる「今」を精一杯頑張って,そういう穏やかな時間を送れるようになりたいと思いました。これからも恵まれた日々でありますように。

2001. 5. 30  斎藤 範子(Hanko)



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