『 週刊 Hanko 』 472号
夏休みの宿題について
40日もの夏休み,どうやって子供と過ごそう…と思っていたのに,もう終わり。となるとちょっと淋しい物が。やはりもっといろんな所に出掛けたかったなぁ。
ところで今回は「夏休みの宿題」について。
私は子供の頃からずっと「図工」が苦手で,毎年夏休みの絵の宿題が苦痛でした。それで母が「私も下手だから手伝ってもわからないわよ…」と協力してくれたのが,やはり下手とは言えオトナの絵。学校に飾られた時に皆から「親に描いてもらったー」と指さされたのが忘れられません(小4の時)。ですから自分の子供には,口でアドバイスはしても手は出すまい…と思っていましたが,それってほとんど無理。すべてが初めてでよくわからない相手に,こちらもどうしたらいいかと悩みつつ,一緒に取り組むうちに気がつきました。一つ一つ,「一緒に体験する」ことが大事なんだと。
今年,夏希が夏休み中にやったことは,次の通り。
(1) ラジオ体操(最初と最後の一週間ずつ)
子供会の恒例行事。私達の時は毎朝でしたが,今は合計で10日くらいなのね。子供が4人しかいないので大人も出ました。朝の体操は気持ち良かった。
(2) 歯みがきカレンダー
歯磨きした日は絵に色をぬるもの。3〜4日ぬれなかったけど,自主的に頑張った。
(3) 朝顔の水やりと,絵日記(2枚)
(私に似て)絵を描くのは苦手そうで,不機嫌な顔で描いていた。でもなんとか自力で仕上げた。
(4)夏休み帳「サマー16」
国語と算数の基礎的な復習。張り切って数日で仕上げる。8/5の招集日には,ほとんどの子が終わっていたらしい。
(5) 一口日記(毎日)
毎日1〜2行の日記を書く宿題。ほぼ自力で書いた。
(6) 日記(6頁以上)
何かイベントがあった日の日記。8頁くらい書いた。一度書いた物を「ヘンだよ」と指摘するとふくれるので,書いてしまったものはできる限りそのまま。書く前に相談された時だけコメントするようにした。
(7) 絵その1:子供会の課題
八ツ切。パパと一緒に近くのダムで写生。パパが描いているのを見ながら慣れない絵の具とクレヨンを使い,自力で描いた。
(8) 絵その2:学校の課題
選択肢の中から選んで応募するもの。四ツ切。パパの協力の元,大きな画用紙にふーふー言いながら大作を仕上げたが,なんと!応募の条件が「縦書き」なのを見落として,横書きにしてしまった。あわわわ〜。苦労して描いたので,応募できないとは言えず,急遽別の応募に切り換えたが,主旨に沿っているかなぁ。これは親の過失。いたく反省。
(9)
工作その1:「アイディア貯金箱」
500mlの紙パックに綺麗な包装紙を貼り,それぞれの面に好きな写真を切って貼り,さらに本の表紙保護用の透明シートでカバーして,お金を入れる穴をあけて出来上がり。ふたはクリップで止めて開閉可能。これは8割方私の作品。^_^;
(10) 工作その2:自由課題
並べてアイロンで溶かして形を作るビーズで「虹色のコースター5枚組」を作成。アイロン以外は自力。1枚につき
169個のビーズを使用。数千個のビーズの中から目的の色を探し出すのがまず大変。綺麗に並べたのをちょっとした振動や真希のイタズラで崩されてしまってやり直すこともしばしば…だったが,けっこう楽しんでいたようだ。
(11) 詩:富岡市の文学祭に応募するもの
夏希がぶつぶつ呟いていたのを「これは使える!」と私が書き留め,それを原稿用紙に清書させた。詩なんか書いたことないから書けないと思っていたけど,学校でまだ教わらないからできない…でいいのか。表現の中身じゃなく,表現するための手段を教えることは必要で,それが「手伝う」ということなら,いつ誰が手伝ってもいいんだ,とこの時悟った(!?)
(12) 読書感想文
30数頁の絵本を私が読み聞かせて,思ったことはその都度言わせて紙に書き留め,それを私が「編集」した。夏希は原稿用紙に「清書」するのに疲れて(まだ鉛筆の持ち方も未完成ですごい筆圧),2枚書くのに3日がかり。これが夏休み一番の大仕事。そしてたくさん反省させられた。
《反省その1》
読み聞かせ&感想の聞き取りを何度も繰り返した結果,「小学校ってイヤだなぁ,何か感じなくちゃいけないんだもん」としんどそうに言うので急遽取材は打ち切り。そういえば幼稚園の時は「感想を聞かないで下さい」と言われていた。もう一度読んでほしいとリクエストすることが「おもしろかった」という意思表示で,子供は絵本を丸ごと体験しているのだから,感じたことを具体的に言わせないようにと。でも今回はとことん追求してしまった。そうしないと書けないと思ったんだけど,やはりこのギャップは本人にはキツかっただろうな。
《反省その2》
「もう成人して久しい私」がこの絵本を読んで感じたことを,夏希にも感じてほしいと期待していた。なんとかそれに気付いてほしいと思い,誘導尋問まがいなことをしてみたが,出てこない。それでとうとう「○○だと思わない?」と聞いてしまったら,「思わない」と即答…。
あああ,私は子供ではなかった…と実感。人間は鳥を見て「空を飛べていいなぁ」と思うけど,鳥はそんなこと思わないはず。夏希は絵本の中の小さな主人公に同化しているのであって,オトナと同じ感想を期待してはいけなかった。当然のことだけど,はっとさせられました。
《反省その3》
できあがった感想文を音読させて気がつきました。夏希本人の言葉を繋げた所はすらすら読むのに,私が(文脈を考えて)細工したところは必ずつっかえる。これも当然のことだけど,やはり読ませるとバレバレなのねぇ。子供って,正直ねぇ。それで,細工した所もできるだけ読みやすいように直しました。
…というわけで,宿題は夏休み終了1週間前に(日記類を残して)完了。小学校初の夏休みがなんとか無事に終わりました。
今一番感じているのは,物を「作品として仕上げる」ことの難しさ。落書きのような絵や手紙はいくらでも書くけど,出品作品は「仕上げ」が肝心。画用紙いっぱいに色を塗ることとか,原稿用紙に清書する作業とか,子供たちが普段していない努力が要求される。でも頑張れば作品が「完成」するし,そこに達成感があることを,この夏少しでも感じてもらえたかなと思っています。
で,やれやれとほっとしたところで,はっっ!! 春歌の宿題が…!! お天気と,「夏休みの約束」が守れたかどうか,毎日チェックするのがあったんだ〜〜!と思い出してガクゼン。慌てて夏希の「お天気欄」を全部写させ,毎週のコメントも一気に書き上げました。
あーあ,これから毎年夏休みはこの騒ぎが続くのかぁ。大変だぁ。でも,この長期休暇だからこそ,普段できない親子の共同作業(ふれあい)ができるのですね。できるだけ,苦痛と思わず一緒に楽しんでみたいものです。
… あーっ!通知表の「保護者欄」書くの忘れてたっ!まず〜い。^_^;
2002. 9. 1 斎藤 範子(Hanko)
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