『 週刊 Hanko 』 509号

今度は真希が「爆発」!? & 携帯オモチャ


509.jpg (6661 バイト) 突然思い出したように「夏」がやってきては,またすぐ雲に隠れて行方不明になってしまいますね。日差しが強くなると,あわてて真希に「とっておきサンドレス」を着せて,とりあえず写真を撮る!なんてことをやってます。一度着せてしまうと嬉しくて脱がないので,先日はフリフリのドレスで泥遊びしてました。(ひぇ〜〜!)

◆今度は真希が「爆発」!?◆
 ひぃじいが亡くなって,もうじき4カ月がたとうと言うのに,真希はまだ病院の近くを通るたび「ひぃじいのとこ行ってみよーか」とぶつぶつ言っています。ひぃじいが死んじゃった,ということは「知ってる」と言ってますが,だから病院に行っても会えない…という理屈はわからないみたいで。(2歳だもんね)
 いつもは,「そうだねぇ,ひぃじい,ねんねしてるかなー」とか「先におばあちゃんちに行ってみよう」とか,好きな音楽をかけたりして誤魔化していたのですが,先日はとうとう誤魔化しきれず…。
 「ひぃじいの所に行く!」と言って,家に着いても絶対に車から降りません。4カ月も保留にされてきたのですから,真希にしてみたら「未解決事項の飽和状態」だったのでしょう。つい最近それで「家出未遂」をしたばかりの私としては,無理やり車から降ろすわけにもいかず,真希を連れて病院まで行って来ました。

 ちょうど休診日で外来の患者さんがいなかったので,病院はとても静かでした。どうするのかなーと,後ろから着いて行くと,真希はいつもの入口(車椅子用のスロープ)から入り,大好きな金魚の水槽を眺め,階段を昇って病室の方へ行き…。ひぃじいの姿が見えないので,あれ?ここじゃない…ここじゃない…と,病室を転々と歩いていきました。そのうち,エレベーターを見つけて「これ,これ!」。時々エレベーターで屋上に行って遊んだのを思い出したのでしょう。屋上に着くと,ぴょんぴょんはねて喜び,ベンチに少し座ってから,階段を降りてまた病室へ。顔見知りの看護婦さんが,「大きくなったわねー」「今日はどなたのお見舞い?」などと声をかけてくれました。結局,ひぃじいは見つからず「ひぃじい,いないねぇ」と言いながら階段を降り,誰もいない待合室のソファの間でかくれんぼをし…。そして,自分から病院を出て車に乗りました。

 ひぃじいに会えなかったのを除けば,4カ月前とまったく同じコースを驚くほど同じように辿って歩いて来ました。それで気はすんだようですが,その「会えなかった」という事実を,どう受け止めたのかなー…と思っていたら,「ひぃじい,おばあちゃんちにいるかもね」と言ったので,びっくりしました。「いなくなっちゃった」で終わらずに,「どこかにいる,いつか会える」と信じている2歳児の,思考回路の驚異!

 実は,「死んじゃうともう会えない…」ということを,真希が学ぶチャンスなのかと思って連れて来たのです。ところが実際は,「ひぃじいは全然死んでなんかいない,心の中で生きているんだ」と,私の方が思い知らされる事件となったのでした。
 「死」がどういうものかは,今教え込まなくてもいずれわかること。できればいつまでも,心の中のひぃじいを忘れずに育ってほしいなーと,つくづく思ったことでした。

◆携帯オモチャ◆
 3年前に買った携帯が,あっけなく壊れました。ちょっとおかしいなー…と思った翌日,「全く反応ナシ」に…! ショップに持っていきましたが原因不明。「修理するより(たまったポイントで割引すれば)買った方が安い」と言われ,その場で早速「機種変更」…。
 私はカメラ機能なんかいらないから,一番シンプルなのを下さい…と言ったら「今はすべてカメラ付きとなっております」と言われ,愕然。しばらく悩みましたが,「操作が簡単」と勧めてくれた2機種の中から決めてきました。
 これが,カメラがくるっと回転して,自分の顔も写せるようになってるんですよね(わ,コレって鏡の代わりになるよ)。でもピントもあいにくいし,こんなの絶対使わない…と思ったその日に,子供の写真を4枚も撮ってしまった私は何???
 その上,買ってから気がつきましたが,これって動画も撮れるんじゃん!(5秒だけど)って,これまた早速真希を撮って喜んでる,私って一体何???

 …なーんか,利用するはずが,遊ばされてる気がする。もはや「携帯電話」じゃなくて「携帯オモチャ」ですね。子供をほったらかして携帯チクチク…って親には絶対なりたくないと思っていたのに,はっと気付くとそうなりつつある自分を,いたく反省しています。なければないで,全然平気なのに。
 メーカーさーん,カメラ無しの携帯,復活して下さ〜い。お願いします。(._.)

2003. 8. 30  斎藤 範子(Hanko)



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