『 週刊 Hanko 』 527号
ピアノの発表会 ・ 裏話集
すっかり暖かくなって,ウグイスの元気な歌声が響いていたのに,突然の雪に見舞われました。久々の「白銀の世界」はきれいですが,気持ちが春になりかけてからの冷え込みはこたえますね。ウグイスはどこに身をひそめているのでしょうか。
さて,大イベントの発表会が無事?終わりました。毎年何かしらドラマがあるのですが,今年は「本番まで」に色々…あったのでした。
◆負傷◆
一週間前,うっかりして包丁で左の親指を切ってしまいました。爪の先1/4くらいを削いで下の指まで。出血はそれほどでもありませんでしたが,ピアノを弾いたらズキン。根性無しの私は少々めげましたが,幸い痛みは2日くらいでとれ,はがれかけの爪がひっかかると痛いので傷絆を貼り続けています。本番前の怪我は,スポーツでも音楽でも怖いですね。気をつけなければ!
◆春歌の伴奏騒動(1)◆
春歌は,ピアノを習い始めて2カ月ちょっと。「思い出のアルバム」を旋律だけ弾くので,お母さん適当に伴奏つけて下さい,と言われていました。それで本当に適当に,ドミソドミソ…の超簡単な伴奏をしていたのですが,リハーサルでそれをやったら,あまりの簡単さに驚いたのか??Y子先生がお手本を見せてくれてびっくり仰天!すんばらしい伴奏で春歌が名ピアニストに見えるではありませんか!しょ〜っく。
家に帰り,動揺した私が,春ちゃーん,Y子先生とあんなすごい伴奏で練習してたの?もっと早く言ってくれれば良かったのにぃ。どうしよう,本番は先生に頼んで弾いてもらう?それとも,伴奏はパパの方が得意だから,パパと一緒に弾こうか…と,騒いでいたら,春歌が一言。「いいの,春ちゃんはママと弾きたいんだから」
うっっ。そうだったね。春ちゃん,ママ,頑張るね!(*_*)…と,「作曲編曲を手掛けるパパ」に,「伴奏作って〜〜,簡単でうんと聴き映えのする奴!今すぐ!お願い!」と強引に頼み込み,パパはパパで,手書きでいいって言うのにちゃんとパソコンで綺麗な楽譜作ってくれて,もう大変。ママは「一夜付け」で一生懸命練習したのでした。あーー。
◆夏希大いに荒れる!◆
そんな騒ぎもあって,土曜の夜は発表会一色で過ぎたので,いつも日曜の朝に録画している「名探偵ゾロリ」のことをすっかり忘れていました(今,ゾロリシリーズの本は図書館でも本屋さんでもすごい人気らしいですね)。放映時間を過ぎてからそのことに気づいた夏希が怒るのなんの,ママが悪いと言って泣いて当たるのでした。(こんなことは珍しい)
私なんか,春歌の伴奏も「冬のソナタ」ももっと練習したくて,御飯の用意も洗濯物も放棄したいくらいなのに,その上ゾロリなんかで騒ぐな〜!と怒鳴りたいところをぐっと我慢。私も韓国ドラマを撮り損ねた時はとても悔しかったし,発表会という大事な日の朝に,怒鳴りつけて本番まで引きずっても困る…と思い,努めて穏やかに対処…(したつもり)。忘れたのは悪かったが,誰も覚えてなかったんだからしょーがない。それでもママが許せないなら,今度から録画は自分でやりなさい云々。あとは時間が解決するしかないと思い,その話題に触れずに過ごしました。
夏希はぶーたれて話もせず,とうとう一度もピアノを弾かずに家を出たのでした。あーあ。
◆春歌の伴奏騒動(2)◆
午前中,子供たちは教会に行っていました。終わって発表会の会場に行く前に,幼稚園のグランドピアノを借りて,春歌と練習しました。さぁ,最後の練習だよ!…と昨夜できたてほやほやのパパの楽譜で練習したところ…。
「これ,やだ」と春歌。「ママのいつもの伴奏がいい」…な,何?!
これ,パパがせっかく春ちゃんのために作ってくれたんだよ?「でもやだ」だってY子先生はあんな素敵な伴奏してくれてたじゃない。ママのは簡単すぎて淋しいよ??「でもあれがいい」え〜〜っ,ママ頑張って練習したのに!「いいのっ!」
ががが〜〜ん。通知表で忙しいのに楽譜を作ってくれたパパの苦労はどーなるの。「冬のソナタ」返上で練習したママの努力はどーなるの??
…でも,春歌が「やだ」となったらダメなのです。あー,せっかく練習したのにドミソドミソに舞い戻りか〜〜。あーー…。
◆ママの恐怖症◆
今回,「冬のソナタ」への思い入れは強く,かなり練習しました。もうバッチリ,完璧!と思えるまで弾いたのです。なんたって「冬のソナタ」だから。
ところが!前日のリハーサルで間違えました。うっ,またか…。
実は私,「グランドピアノ恐怖症」なのです。家のアップライトでは弾けても,グランドピアノだと弾けない…ということが何年も続いています。おそらく原因は,譜面台の高さが違う(楽譜と指先をチラチラ見る感覚が違う)ことだと思うのですが,毎度のことなのでトラウマのようになってしまいました。
考えられる対策は3つあって,1)家にもグランドピアノを置いて練習する。2)楽譜だけ見て弾く。3)暗譜する。ですが,1)は物理的に無理。2)と3)は,それができない苦手な所で間違えるのであって,とりあえず無理。だから家では楽譜を上の方に張りつけて弾いてみたり,それなりに工夫はしているのですが…。実際にグランドピアノの前に座るとダメなんですよねぇ。あー,まただ,こんなに練習したのにどうしよう…と思ったら,家に帰ってもうまく弾けなくなって焦りました。(ホント,肝っ玉小さいよねーっ)
もうこうなったら気がすむまで練習するしかない!と思い,朝,幼稚園のグランドピアノを借りて弾き(まだ間違える),本番直前のリハーサルの空き時間にも粘りに粘って触らせてもらい(まだ不安),なんとか問題の場所を何度かさらうことができました。
これだけ練習して間違えたら,本当にグランドピアノに負けてしまうと,けっこう真剣にドキドキしながら本番を迎えたのでした…。
◆そして…出番◆
春歌は,ステージの袖で「絶対いつもの(伴奏)だよ!」と私に念を押し,ニコニコと登場しましたが,やはり初舞台で緊張したのか少々失敗しました。伴奏の私が瞬時に対応するには,やはりドミソの簡単バージョンで良かったんだなと,納得しました(パパごめんね)。
夏希は,教会に行ってる間にゾロリのことはすっかり忘れたらしく,演奏に集中できて好評を博し(!?)ほっとしました。(これを読んだ皆さん,夏希に会っても「ゾロリ撮り忘れ」の話はしないでね。^_^;)
私は…。意外にも??,おかげさまで恐怖症を少し克服することができました。過去にうまく弾けなかったのは,やっぱり練習が足りなかったからで,グランドピアノのせいじゃない,と思えることが大切でした。「充実感」を味わう演奏会は,クラリネットで何度か経験しましたが,今回はピアノで「達成感」を味わいました。これは,とてもとても嬉しかったです。
本当は子供がメインの発表会だし,「冬のソナタ」はチェロの独奏で私は伴奏だから,プログラムの中では大したことない位置なんだけど,本当に弾けて良かった!
発表会が終わって,やっとおなかがすきました。^_^;
子供たちも,ハンドベルや木琴・鉄琴など色々経験し,市吹の演奏でたくさんの楽器の音も聴けて,満喫したようです。
春歌の強い要望でお忙しい中来て下さった幼稚園の先生方,前橋から家族揃って来てくれたS家の皆さん,本当にありがとうございました。(._.)
さーーて、今度は春歌の卒園式だ!
行ってきまーす。
2004. 3. 23 斎藤 範子(Hanko)
☆感想のお便り、お待ちしてます。 hanko.saito@nifty.ne.jp
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