『 週刊 Hanko 』 542号

チャペルコンサート


 先週,子供に付き合って,今年最初で最後のプールに行ってきました。午前中2時間だけだったのに,日差しが強く,肩がピリピリ…!逃げるように帰ってきましたが,真っ赤に焼けて,「私に触らないで!」という日が3〜4日続き,肩ひも無しのブラが必需品でした。今,だんだん痒くなり,ぺりぺりと皮がむけてきたところ。これってかなり久々の感触です。^^;

◆チャペルコンサート◆
 前回の「週刊Hanko」でお知らせした通り,先週の土曜日は教会で,大嶋義実さんとヤロスラフ・トゥーマさんのチャペルコンサートが開かれました。冷房のない礼拝堂で,この季節にコンサートを企画するのはかなり無謀だったのですが,色々と事情があって決まったことで,とにかくお天気のことだけが心配でした。ところが!奇蹟的に涼しい(夜は寒いくらいの)1日で,今度はチェンバロの大敵「湿気」が気になりましたが,それも問題なく,願ってもないコンサート日和!礼拝堂も満席で,本当に素晴らしい演奏会となりました。

 大嶋さんは,世界に8本しかないという「純金製のフルート」で素敵な音色を響かせ,曲の合間には楽しいトーク。名曲を味わうためのワンポイント・アドバイスや,「クラシック音楽を寝ないで楽しむためのコツ」など教えて下さり,これがとても好評でした。
 また,トゥーマさん<*1>のチェンバロの素晴らしいこと!教会にある電子式パイプオルガンも(プログラムになかったのに)即興で弾いて下さり,次々と溢れ出る音楽に皆固唾を呑んで聴き入りました。これが「国際即興コンクール優勝」の人の,生の演奏かと思うとゾクゾクしましたが,後で聞いたら「鳥肌がたった」人が何人もいた様子。やはり本物は違うんだなぁ…。

 アテネオリンピックは終わってしまいましたが,もし音楽のオリンピックがあれば,きっと金メダルをとるような方なんですよね。「世界一」の演奏を,こんな間近で見ているのが夢のようでした。

 大嶋さんとトゥーマさんは,プラハで組んでから10年来,一緒に各地で演奏活動をしていて,今回大嶋さんが持参して下さったチェンバロは,トゥーマさんがプラハで使っているのと同じ型の物。日本でも同じ楽器でデュオをしたいと,トゥーマさんのために購入したのだそうです。その息のあった演奏を,たっぷり2時間,大嶋さんの後輩のオーボエの方も登場してトリオも聴かせていただき,本当に贅沢な夜を過ごしました。

 ところで,こんなすごい方が,なぜこんな田舎の教会で無料の演奏会をして下さるのか…。実は,大嶋さんのお父様は開拓伝道をされた牧師先生で,今は名誉牧師となられた大阪の「枚岡(ひらおか)教会」に,次の牧師として入ったのが,私の友達(のご主人)でした。友達が,「大嶋先生の息子さんは,世界的なフルーティストで,どうも高崎に住んでいるらしい」と教えてくれたのがきっかけで,今回のコンサートを開くことができたのです。

 この友達と知り合ったのは,教員採用試験に落っこちて,就職のため上京し,府中教会に通っていた頃のこと。つまり,私が学校の先生になっていたら,今回のコンサートはなかったのだ!などと,運命を論じたくなるほど,私的には感動した夜でした。

 今回,数カ月間に渡り大嶋さんとの連絡係を仰せつかったために,当日はトゥーマさんの送迎係も担わせていただき,大嶋家の練習室にお邪魔させていただくこともできました。そこで「高さ5mのステンドグラス」が輝くのを見,また,小さいけど本物のパイプオルガンと,ピアノフォルテ(チェンバロとピアノの中間)があって,トゥーマさんがまたまた即興演奏!目の前で…!(*_*)うるるっ…。
 「その場限り」なんてもったいない!できることなら両手ですくって持って帰りたいような音楽を,惜しみなく奏でて下さって,本当に「音楽の泉」のような人でした。

 今回のコンサートが無事終了しておしまい…ではなく,このつながりを大切にしていけたらいいなぁと思っています。いつかまたもう一度,大嶋さんとトゥーマさんのコンサートを企画するぞ〜っ!\(^_^)/

 因みに,大嶋さんとトゥーマさん(フォルテピアノ)の演奏は,9月3日(金)桐生市市民文化会館でも聴くことができます。
 ※入場料:¥2,800 高校生以下¥1,000 (全席指定)
 ※問い合わせ:0277(22)9999(桐生市市民文化事業団)

<*1>ヤロスラフ・トゥーマ Jaroslav TUMA
チェコを代表する世界的オルガン・チェンバロ奏者。オランダ・ハーレム国際即興コンクール優勝をはじめ、ブルックナー国際コンクール、バッハ国際コンクール、ニュルンベルク国際コンクールなど12のコンクールを制覇、輝かしい経歴を持つ。「プラハの春国際音楽祭」をはじめ、主要音楽祭のソリストに抜擢されリサイタルを行う他、国内はもとより、ヨーロッパ各地、アメリカ、カナダなどへコンサートツアーを行い、各地で絶賛を博している。CD録音にも意欲的でボヘミアのオルガンシリーズT〜Yを継続的にリリース。プラハ芸術アカデミーで後進の指導にあたる傍ら、ハーレム、ニュルンベルクなど各地の国際コンクールに審査員として招聘されるなど、ヨーロッパに於けるオルガン・チェンバロ界の「若き巨匠と呼ばれるに相応しい地歩を固めつつある。

2004. 8. 31  斎藤 範子(Hanko)



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