『 週刊 Hanko 』 633号

◆卒業式◆退任式◆


 春一番の後に初雪が降ったり、桜が咲いたと思ったら急に冷え込んだり夏日になったり…、むちゃくちゃな天気が続いていますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。花粉の飛散量も、タミフルのきかないインフルエンザの登場も気になるニュースですが、齋藤家の春休みも色々あって、ネタの海におぼれそうです…(∋_∈) 新学期が始まる前に(もう今年の辞令をもらっちゃったけど)、3月の話題をどうしても…!!

◆卒業式◆
中学3年生の卒業式。会場の礼拝堂に行こうとしたら、入場のため待機していた卒業生に出会いました。これが、例の一番苦手だったクラスの男の子達…。
 「おめでとう!」と声をかけると「先生、うれしいでしょ。オレ達のことキライだったもんね」「え、キライじゃないよ。君たちが、私のことキライだったんでしょ」「いや、オレ、先生のこと好きっすよ」「ほんと〜??私も好きだよ(^_-)」

 特に男子生徒の場合、いつも授業中に寝てるようなのがいきなり手を挙げて発言したり、職員室の前で「先生、好きです!」なんて言って様子をうかがったりしているのは、友達との罰ゲームだったりするので真に受けてはいけない部分もありますが、たとえ冗談にしても、このクラスの子とこんな会話ができて良かったな、と…(*_*)。

 思えば1学期…。授業は聞いてない、やれと言ってもやらない、出せといっても出さない、でれーっと寝てるか、別の教科の宿題してるか、大声でしゃべってるか…。ほかのクラスと同じ授業がどうしてもできない。何度職員室に帰ろうと思ったことか。教室に行くのもいやになって、連絡事項も担任の先生経由…。

 でも2学期になって「嫌われても嫌っちゃいけない」と反省し、何かと理由をつけては足繁く通うことに…。今度の授業は生物室だよ〜、○○さん、提出物まだ出てないよ〜、などなど。
 そうはいってもなかなか深い溝は埋められず。そのクラスの子達も、だんだん別のクラスの生徒と私の関係が、自分たちと違うことに気がついたらしい。球技大会の時、私と一緒に写真v(^O^)v撮ったり、職員室の私の席で楽しそうに話している友達の姿をいぶかしげに横目で通り過ぎながら、この先生、ほかのクラスの子が好きなんだ、ウチらのことはキライなんだ…と感じていたらしい。そーじゃなくて、あんたたちが私を拒否してるんでしょう!!と声を大にして言いたかったけど、言えず…。

 それでも、冬休みにアメリカに短期留学していたそのクラスの子が「齋藤先生に」と博物館の写真を撮ってきてくれたり、一番悩みの種だった女の子が、「先生!手が異様に冷たいから触ってみて!」と手を差し出したりした時には正直びっくり。授業中だったけど、思わず握ってしまいました。

 そんなこんなの探り合いが続き…。「国交正常化」まではたどりつかなかったけれど、最後の最後に、ほかでもないこのクラスの生徒と、前述のような会話ができたことは、私にとっては意味あることでした。
 昔話にもありましたよね。大嫌いな姑を殺す薬(実は片栗粉?)を和尚さんからもらって「そのかわり、毎日うんと優しくしてあげなさい」と言われ、実践していたら仲良くなっちゃった、という話。立場や相手が違っても同じなのでしょう。大事なことを教えてもらったクラスでした。ありがとう。(._.)

◆退任式◆
 2006年度最後の日。修了式の後、退任式がありました。私をこの学校に紹介してくれたH先生も定年退職され、また、何もかも初めての私にいつも声をかけてくれて緊張をほぐしてくれた大好きなK先生も、ご主人の転勤・引越のため退職…。とっても残念でした。(;_;)
 H先生が、最後の挨拶で「心も体も健康でないと、良い教育はできません。心身共に大切にして頑張って下さい」と仰っていたのが印象的でした。どんな仕事でも健康が第一なのは言うまでもありませんが、確かに生徒と対峙するのにはかなりのエネルギーが必要です。たった1年でもよくわかりました。健康管理にはくれぐれも気をつけましょう。

 それにしても、慣れない生活にもかかわらず、一年間病気で学校を休むこともなく、雪に悩まされることもなく(これは温暖化に感謝という皮肉な結果)、無事に過ごせたことに心から感謝しています。それもこれも、(旦那や両親を始め)色々と助けて下さった皆様のおかげ。本当にありがとうございました。
 また新しい年度が始まろうとしていますが、これからもよろしくお願い致します。m(._.)m

2007. 4. 8  斎藤 範子(Hanko)



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