パタンの基本操作の方法(4)

パタンの拡大・縮小・修正・変更の際の操作技術(4)
後ろ首巾・前首巾
肩回り・首周りのフイティングのポイント

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首巾の変更の操作

  • 後ろ身頃では衿繰り線 h 〜 E を3等分し、マークし h1 とます。


  • 肩ダーツの頂点 M を通って背巾の水平線を描き、3等分し、更に1/2 を M の両側にとってマークし、M1 とします。


  • 先の h1 と m1 を結び、切り開き線とします。
  • M と M1 の中央をM2 とし、これを基点としてh1 〜 M1 を回転させ、衿巾の拡大分量を広げます。


  • 同時に肩ダーツは同量だけ狭まりますが肩線は変わりません。


  • 前身頃では衿ぐり線を3等分し、中心側の点を Hs とします。


  • Hs と Bp を結び、切り開き線とし、Bp を基点にHs を外側に後ろの衿ぐり拡大分量と同量、パタンを回転させて衿ぐり線を広げます。


  • 最後に前後の衿ぐり線を滑らかに記入して完成させます。


  • 以上は『パタンの操作』の重要なポイントを纏めました。特に肩・衿周りは落着きのあるシルエットのの土台になるポイントです。デザイン展開の操作は限りなく有りましょうが 着易さを左右する首・衿周りのパタン操作に慣れてください。。

首周りのフイティング・パタン操作のポイント

    ☆首・肩回りの調整 シルエットの落ち着きを決める。
    原型の衿ぐりのように、首付け根に沿った衿ぐり線の場合は、首巾だけの緩みを考えれば良いのですが
    ●衿ぐりを広くする場合、衿付け止まりを低くする場合は、 胸巾・背巾の緩みのために衿ぐりが浮いてしまうケースがあり,緩みを減らす操作が必要になります。
    ●またテーラードカラーのように前端を折り返す衿は衿腰分として の緩みが不足してよく返らない場合があり、緩みを加える操作が必要になります。
    ●これ等の操作は肩ダーツを利用して行います。前ではBpを基点にして肩 ダーツをたたみ、前衿ぐり線を開いて緩みを加えます。後ろでは肩ダーツの頂点、M 点を中心に 3.0 〜3.5 cm の範囲内を基点にして後ろと同様の操作をします。
    ●肩回りでは肩ダーツの有無では肩の丸みと袖ぐりの前後の緩みで肩回りの『表情』が変わり、袖山の巾。高さへの関係が変わってきます。この様に肩周りのパタン操作は コスチュームとしての衣服の雰囲気を想像して自在に使いこなせるように経験して欲しいポイントです。

    ☆スライドと回転の方法の習得
    操作については『修正の操作』では主としてバランスの調整を主眼として、亦『パタンの操作』では首・肩回りの調整を主眼として述べてまいりました。重複した部分もあり ましたが操作の基本となるポイントを概観すると次のようになります。
    ●操作の基本手法はスライドと回転の二つです。
    其の場合の注意点は例えば前巾を拡大すれば肩巾・その他の部位も対応して拡大すると云う点です。平面上で動か せば必然的にそうなります。しかし立体してのパタンはそれでは困るので『修正の操作』ではバランス調整のためにパタン縮めたり、スライドさせて各部位の相互の関係を 動かしました。
    『パタンの操作』では主として衿・肩回りの調整でしたがこれは肩ダーツやバストダーツを増減させて首巾・肩巾・肩丈等を変化させて調整しました。 これ等の操作は基準があり、それを理解すると方法を覚えなくとも展開その他のケースで自然に思いつくようになります。

    ☆基準は何か?
    ●基準とは何でしょうか?それは体型基準線です。『修正の操作』では体型基準線との関係から例えば「前巾の拡大量に対して肩巾は?首巾は?乳頭間隔は?と立体的 な思考から各部位の動かすべき分量を割り出しています。それを体型基準線からの位置と矛盾しないように(体型基準線と平行に)動かしてゆきます。また回転では重心線 からの肩点の位置、前中心線からのネックポイントと云うような確定された二つの点から円弧を振り、未知の第3の点、ここでは肩点の位置を割り出してゆきます。従って総ての 操作は体型基準線との関係を考えると自然に出てきます。これは他のデザイン展開へのパタン操作にも通じる原則ですので是非習得して戴きたいと存じます。

    ☆観察と経験
    その習得には原型を色々な体型のタイプのバランスで描き、亦色々な操作を考えてやってみる事が大切です。習うより慣れろ!と云われますが操作について疑問を持ち、自分で 体型基準線との関係を考え、やって見ることが大事です。特に後にグレーデイングの項では出てきますが「縦」と「横」の操作を一括して行わなければならぬ様な際には特に 重要で、ノートにメモを取りながら慎重に作業を進めることが大切です。


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