桧岳(ヒノキダッカ)


12月15日(土)、快晴、旧寄キャンプ場ー雨山峠ー桧岳ー寄大橋。
冬が近づき寒くなってきた。山に行かないと体がなまってしまうので、しばらくは沢とわかれ、丹沢の尾根歩きをしてみよう。 今日は、今まで行ったことのない桧岳へ登って見た。
寄大橋手前に車を止め、歩き始める。 朝早いため風がけっこう冷たい。旧寄キャンプ場内の道路を抜け、登山道に入る。
鹿柵を越え、近道の沢沿いの道を行く。 堰堤のガバーホールドを伝って寄沢に降りる。 ゴーロを歩くとすぐに左側に登山道がある。
沢を右左に2、3回横断し、右の鹿柵沿いに上がる。 この辺が一番わかりずらいところだ。初めてくると必ずまちがえるところだ。 沢周辺の崩壊は激しく、くるたびにまわりの景色が違って見える。
青ざれの地獄ザリへ続く沢の渡渉個所は、鉄ハシゴが崩れ落ち、新しい鎖が設置してあった。 この辺は初心者がびびるところ、注意して登る。 鎖とて安心はできない、なにせくるたびにルートが変わっているのだから。
しばらくは歩きやすい中間の尾根道を行く。 寄コシバ沢で鍋割峠への道を分け、雨山峠に向かう。 この辺の歩きは昔からの道で、人のいない静かな山歩きが楽しめる。
やがて道は寄本流にでる。
この下流には、表丹沢一のイイハシの大滝(三段45M)が落ちているはずだ。 渇水期のため本流の水はかなり少ない。
しばらく水の少ない滑状の沢の中を歩いていく。 沢が二俣に分かれるところに標識があり、道は左を示している。 この辺は沢登りをしているみたいで楽しいところ、少し右俣も覗いてみる。
沢を忠実にせめるように歩いていくと、沢の終わりの正面に、幾つかハシゴがかかっている。 この辺も崩壊が激しいらしく、新旧いろんなハシゴが数箇所に懸かっている。 そこを登るとすぐに雨山峠だ。



峠からは、すばらしい富士山の眺めが玄倉側に望めた。 ここは十字路になっており、左、桧岳への尾根に取り付く。
少し急坂を登ると、緩やかな広い尾根道になり、気持ちいい落ち葉を踏みしめて歩く。 振りかえると、木の間越しに初冠雪に輝く、塔の岳から蛭ヶ岳に続く丹沢の主脈がちらちら見える。 標高1400M付近から上が白く、朝日に輝いている。鍋割山にはないようだ。
しばらく広葉樹の楽しい道を歩くと、雨山についた。 ここからの眺めは海側がすばらしく、相模湾が一望できる。 太陽に輝く、江ノ島、伊豆大島、初島、真鶴半島と、しこのまだ。 ここは、海を眺めながらお弁当を広げ、ゆっくりと寝っころがりながら時をすごしたいところだ。
ここから桧岳方面の案内は秦野峠と変わる。
尾根は軽いダウンアップを重ねて桧岳についた。
頂上からの眺めはあまりないと案内書にはあったが、どうしてどうして、けっこう周りが見える。 頂上は広く、丹沢主脈、富士山の眺めもいい。
西側は頂上まで植林地帯で、丁度かり払われていて、良い眺めだ。鹿柵があるので、ちょっと乗り越えて中に入ると抜群の展望。 ここでゆっくりとビールを飲み、日だまりで景色を眺めながら、お握りをほうばる。 1時間ほど休憩し、地図にない、昔の道の降りる尾根を探しながら、南へ歩く。
ばたばたと音がするので、鹿柵を見ると、1頭の雄鹿が、柵の網に角をからませ、もがいている。 近づくと、さらに暴れからまって逃げられないので、早々と離れた。 あの鹿は逃れられるのだろうか。心配してもしょうがない早く行こう。
地図をみると、頂上から300Mぐらい行ったところから、下る分岐の道があるらしいのだが。 少し左側を歩き、それらしき尾根をさがしながら歩くと、南側が広いかやとの原になり、眼前に相模湾が大きく開ける場所に出た。 左に下る緩い尾根の分岐に、白杭と白テープがあり、なんとなくここが降りる尾根らしい。 入って見るとかすかな踏跡があり、まもなく赤テープも出てくる。
ここが降りる道だと確信し、植林と鹿柵沿いの尾根を、忠実に確認しながら下る。 ここの下りは、正面に海を眺めながら下りるので非常に気持ちがいい。
しばらく境界の尾根を歩くと、正面に小さな丘のピークがある。 道は左を巻きながら斜めに下り、2つくらいの小さい尾根を横切りながら、また南側の鹿柵のある尾根に出る。 ここからは、少し鹿柵沿いを歩き、広い植林地帯に入る。植林帯はぼダイレクトにまっすぐ降りていく。 下の河原がちらほら見えてくると、手すりのある遊歩道にでた。
遊歩道に出ると、赤い寄大橋も見えてきて、ほぼ予定どうりの尾根を降りてきたのがわかった。 遊歩道を歩いて降りていくと、チェーンソーを持った森林作業のおっちゃん達に出会った。
軽い挨拶をすると、「どこからきたん?」と聞かれ、「ヒノキダッカから尾根を降りてきた」といったら、「何回もきてるのかね」「いや、はじめてですよ」 と答えると、「そいつはすげえ、ベテランでも間違えることがあるのに、よくおりてきた」といわれた。 やはり、森林作業をしている人達は、道のない尾根を下るのは、かなりむずかしいというのを経験からして知っている。 ま、途中2、3箇所ちょっとわかりにくいところがあったけどね。 軽く会釈をしてわかれ、小沢をわたる。
すぐに林道だ、大橋まではほんの100M。 ゲートをくぐり、大橋を渡ると、5分咲きの寒桜が二本、橋の両サイドで青空に映えて咲いていた。

 車―――――雨山峠―――雨山――――――――桧岳――――――車

 7:40 9:45 10:20  10:50(12:00) 13:10
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