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  作曲ごっこ (2001.11/6)


 私にとって、作曲という言葉はどことなく気取った響きがある。
音符の配列を組み合わせてつくり出す、という
数学的作業を思い起こすからだろうか。
 幼児の頃、私はとてもピアノが好きだった。
おもちゃのアップライトピアノをあまりにも熱心に弾いてるので、
まだ若く余裕のなかった両親が祖父に頼んで
アップライトピアノを買ってもらったらしい。
当時はアパート暮らしだったので
「なるべく小さいピアノを」
と、友達が持っていたような黒くて背の高いやつではなく、
背の低い、茶色い木目の輸出用のピアノを見つけたのだった。
今思えば、小さいので響きもそれなりだったせいか、
近所の家の背の高いアップライトを気分よく弾いていた気がする。
私が子供の頃の遊びと言えば、屋外なら草むらや沼の探検などで、
屋内ならば人形ごっこか歌謡番組ごっこだったが、
私が考え出した遊びに「作曲ごっこ」というのがあったのだ。
「ごっこ」といっても、即興で何か弾くだけだが、
ルールは「間違えたら交代」だったと記憶している。
今は、曲を書こうと思うと頻繁に「間違え」るが、
当時の私は全然間違えなかったのだろう。
何人かでその遊びをやっていて、私の番になると、
あまりにも長かったのか、
退屈した友達がどこかへ行ってしまっていたような気がする。
いったいどんな曲だったのだろう?
私は8才くらいでピアノを習うのをやめてしまったので、
ひょっとすると技術的には今と大差ないはずだ。
当時は今と違って気軽に録音できる機材などない時代だった。
今、もしもそれらの曲を聞いてみることができたなら、
「間違え」とは何だか解明するかもしれない。
そしてそれが解明されたなら、
音符の配列が個人のエゴでないことを証明できるかもしれない。

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