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  平日の映画館にて  (2001.11/25)


 職業柄、平日の昼間にフラっと映画館に入ることが可能だ。
昼の3時頃に都心で暇になった時なんかが一番いい。
どんな時にそんな気分かというと、
ライヴハウスなどに出演する日でワンマンでない時なんかだ。
「昼1時に入り2時からサウンドチェック、3時に終わるが出演時間は9時」
なんてことはザラにある。
ホールコンサートレベルでなければ楽屋はほぼ全員共用だし、
ライヴハウスならたいてい楽屋なんぞ名ばかりで、
四畳半くらいの倉庫部屋に椅子が3〜4脚あるだけってのが当たり前なのだ。
そんなだから、家に帰る時も当然あるのだが。。
 大晦日のイベントの時、
サウンドチェックが18時に終わり出番が24時だったので、
家に帰って食事したり紅白見てからまた戻ったこともある。
歌う時は飲酒すると鼻が詰まりがちなので本番前は飲めないし、
家でテレビ見たってそんなに楽しくないのだ。
出演時間に現場に戻ると、せまかろうが退屈だろうが、
みんなそれなりに他の出演者の演奏を見て楽しんでいて、
自分だけがズルしたような気分になってしまった。
 
 話しが反れたので元に戻そう。映画館の話しだ。
空き時間にフラっと入るからには、
上映タイムスケジュールで何を見るかが決まるので、
どうでもいい映画だって見ることになる。
渋谷で空き時間に一人で映画館に入ったある日のこと、
映画は何だったか忘れてしまったが、
忘れられないのが隣席に座った客であった。
その人はとても豊かな肉付きの男性で、
予告編が終わる頃にあわてて駆け込んできた。
そういう体格の人の常か、鼻息が異常に荒く、
ラージサイズのコーラを片手に、
椅子のひじ掛けを超えて二の腕の肉がこちらにかぶさってくる。
結構混んでいたので、席を移ることもできずに我慢することにした。
画面に出演する役者の名前が流れ出すと、彼は独り言を始めた。
「おぉっ!スーザン・サランドンが出てるよ!」
「こいつは誰だろう...」
「ほう!誰々もなかなか渋いなぁ」
と小声で息を荒らしながらしゃべっている。
本編では彼は比較的大人しく、
ちょっとしたギャグにバカ笑いする程度だったので助かったんだが、
察するに彼も、時間が空いたので何の映画でもいいからフラっと
観に来た人物であったんだろう。
そして、わりと好きなスーザン.サランドンが出ていて嬉しかったのだろう。
(スーザンを大好きだったなら、看板やポスターで気付くはずだからね。)
結局映画の内容は全く覚えていない。
スーザン・サランドンが出てたって事以外は。

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