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心配りと余力 (2002.10/25)


 道路を歩いていても、どこにいても、他人の邪魔になる行動をする人が必
ずいる。精神的に余裕がないという理由で、他人に負担を強いる人が必ずい
る。心配りのできない人とでも言おうか。
仕事やアルバイト先などで、後輩の指導をしたことがある人なら、心配りを
教えることが如何に困難かを知っていることと思う。
仕事上のルールを教えることは簡単だが、
『見渡してみれば自ずからやるべきことが見えてくる』
というところまでは口では上手く説明しきれない。
あるライヴハウスの店長が店員の教育について話してくれたことだが、
「邪魔な場所に椅子があったなら、無意識にサッとその椅子をずらすことが
できない人間には、口で何を教えても出来るようにならない。」
という話だった。その店は都心の比較的店員をたくさん使う店で、バイトを
したいという人がひっきりなしに来る。大事にされるのは、教えられなくて
も椅子をずらすことのできる人間で、椅子が邪魔であるということさえも気
付かない人間では決してない。
大抵の場合、迅速に椅子をずらすことのできる人間は、既に物事のかなりの
部分までを達成しているのである。
 他人の気持を瞬時に想像して行動するというのは、なかなか一朝一夕に出
来るものではない。ただし、最低限の人道上のルールを守ること程度なら意
識すればできるはずである。
『なぜ、道を塞いではいけないか?』
自分が道を塞がれたことを想像すればよい。
『なぜ、他人を思いやらなければならないか?』
自分が思いやられなかったことを想像すればよい。
そして、開き直るのは最も恥ずべきことだ。
『常に何かに一生懸命で、人の気持を想像する余裕なんてない』
などと本気で思っている人がいるとしたら、表明しないほうがいいだろう。
パソコンを扱う人には説明しやすいが、CPU、メモリ等、余裕を持っていな
いとソフトは完全には作動しない。余力があってこそ、能力を発揮できるの
だ。『余力がない』なんて言いふらす暇があったら、マシンのレベルを上げ
るほうがいいに決まっているのである。
そして、マシンのレベルは上がらない、などとあきらめるべきではない。

最後の一行は強く自分に言い聞かせながら書いている。

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