野尻湖水草復元研究会、ホシツリモ



野尻湖水草復元研究会

長野県知事表彰を受賞 ---- 日本植物学会学会賞特別賞を受賞 ---- 水草復元区にソウギョ侵入

Clik on here to visit our English web site.

野尻湖水草復元研究会のあゆみ - 芙蓉荘 - 長野県環境保全研究所 - 野尻湖ナウマンゾウ博物館- 環境省表彰を受賞




野尻湖の水草復元の概要

☆野尻湖
野尻湖は長野県北部に位置し、別名芙蓉湖とも呼ばれる天然湖で、妙高高原、黒姫高原とと もに上信越高原国立公園に指定されおり、古くから国際的な観光地として有名です。湖周辺 には遺跡も多く、ナウマンゾウやオオツノシカの化石、旧石器等が発掘されており、湖畔に ナウマンゾウの住んでいた湖としても知られています。
湖の面積は4.56Ku、湖の標高は654m 、湖の水深は最大38.5m 、平均21m 、近年の水質の 平均値はCOD1.8mg/g、全リン 0.005mg/g(環境基準は、COD1mg/g以下、全りん0. 005mg/g以下)透明度は最大値9mを越える自然環境に恵まれた美しい湖です。


ホシツリモNitellopsis obtusa



☆野尻湖の水草
野尻湖は、水草が豊富な湖沼でした。 1900年代初頭には20数種類の水草が記録されておりそれらの分布や群落構造まで詳しく調べ られています。しかし1970年には増えすぎた水草が船の航行や漁業の邪魔になったため、19 78年に5,000匹のソウギョが放流され、3年間で水草は食べ尽くされてしまいました。この時 ホシツリモNitellopsis obtusa(車軸藻類stonewort)も全滅しました。
ホシツリモは国内では野尻湖など4湖沼のみに分布していましたが野尻湖以外の3湖沼に分布 していたホシツリモも水質の変化等により全滅し国内の自然絶滅種となってしまいました。 水草が無くなる事により生物種多様性が低下し湖の中の生物のバランスが崩れ淡水赤潮など の発生の原因にもなります。野尻湖も1988年7月に淡水赤潮が発生しました。



☆野尻湖水草復元研究会の発足
絶滅したはずの野尻湖産のホシツリモが大阪医科大学で培養保存されいると聞いた長野県衛 生公害研究所は早速その株を培養して野尻湖に戻そうとしました。1996年に水草・ホシツリ モの復元をしょうと長野県衛生公害研究所、野尻湖ナウマンゾウ博物館を中心に地元のボラ ンティアが参加して活動を開始しました。


☆野尻湖水草研究会の活動
最初の活動は実験施設の建設です。1996年6月に4m四方、編目10cmの施設を北岸の芙蓉荘沖 合(地図・実験施設1)、水深1mから4.5mの位置に合計6基設置し、ホシツリモをヨシ、ガマ 、セキショウモ等の水草とともに移植しました。1999、2000年夏に水中カメラで成長したホ シツリモが確認出来ました。ほかの水草も実験施設の中では沢山繁茂しました。これらの実 験から野尻湖内ではホシツリモは単独ではなく、他の水草やエビなど小動物と共存すること (生物の相互関係)が重要であることがわかりました。
野尻湖水草復元研究会は以上のような調査・復元活動だけではなく、小学校でのホシツリモ の培養を支援したり、野尻湖ナウマンゾウ博物館での水草教室、環境関係イベントの展示ホ シツリモや水草帯復元に関するシンポジウムの開催など、広く活動を行っています。また調 査・復元活動でも出来るだけ会員同士で話し合って進めてきました。

2001年度は、これまでの実験で得られた知見をもとに450平方メートルの水草帯の復元(地図 ・実験施設1)、過去に分布が記録されている地点(地図・実験施設2)水深7mでのホシツリ モの復元を行い、現在はその管理や育成状況の観察を行っています。これらの活動は多くの 地元住民や小学校児童の参加を得て行われました。
今後は地元の方々との連携を拡大し、野尻湖内の多くの地点にホシツリモ・水草復元区を設 置して在来の植物種による水草帯を復元し、野尻湖の自然環境を保全していくことを検討し ています。 水草植栽区にはヨシ等7種、合計約70ブロック苗が移植され、現在は生育条件の適した場所 に苗が活着した段階であります。今後これらの水草の種子や地下茎から4〜5年をかけて密度 が高い水草帯が形成されていく予定であります。また埋没種子から沈水植物の発芽が多数観 察されており、将来、水草帯の主要な構成員と考えられます。

2002年度には、新水草帯が設置されて最初に観察された変化は、これまで全く見かけなかっ たトンボの来訪です。中でも水草の茎の内部などに卵を生み付ける種類の産卵行動は頻繁に 観察されました。また、観光客が水草帯のある湖岸で足を止めることも多くなりました。ホ シツリモ復元実験区では、沈水植物クロモをホシツリモの近くに植えたところ、約6ヶ月間 にわたりホシツリモ小群落が維持され、これまでの最も長い生育期間となりました。ホシツ リモの近くに他の水草が共存することにより、ホシツリモと小動物等との相互関係が維持さ れた効果によると考えられ、復元に向け明るい材料となりました。
また、野尻湖水草復元研究会活動成果報告会の開催し、住民向けに研究会の活動を報告しま した。研究会の活動成果の他、大学における最先端の研究、小学校の総合学習報告等、変化 に富んだ内容でありました。今回は活動に参加した一般参加ボランティアの発言コーナーを 設け、熱心な議論がありました。自治体への要望は、参加した行政担当者を通じて各機関に 持ち帰ってもらいました。

2003年度も本研究会では復元活動と環境教育を併行して行っています。今回の活動では小学 校で野尻湖の環境をテーマにした総合学習を支援し、学習を通じて育てた水草は野尻湖の水 草帯復元活動に利用しました。地元住民を対象とした活動の成果報告会を開催し、活動成果 報告の他、小学校児童の総合学習報告、復元活動に参加したボランティアの報告もあり、活 動成果の地域への定着を図りました。
また、7月には地元で東京大学院、生物科学専攻、公開ゼミナールが開催され、多くの地域 住民が受講しました。「活動で得られた知見は、地域住民に活用されてはじめて野尻湖の自 然環境復元に役立つ」を基本にしています。

2004 年4月、野尻湖水草復元研究会およびボランティアの参加により、北岸水草植栽区の一 部に水深 50cm 程度になるように、幅 90cm 高さ 60cm 長さ 6m の土嚢などで土を盛り上げ、 ヨシを植えました。 最初に根付くための苗床を作ってやるわけです。ヨシは水面上に茎や葉を出すことが出来る ので根付き、地下茎を利用して深い部分にも拡大していきます。

また、2004 年4月には、芙蓉荘前の実験施設(地図・実験施設1)のZone-x 右写真( 2004.06.09 撮影 )を編目10cm の防護網で囲い、水草の植栽をせず自然に、周りの実験施設からの水草が 、どの様にして 増えていくのかの実験を開始しました。大きさは、縦 2.8m 横 3m で、夏期の満水時で水深40cm から 60cm 、冬期には、渇水し浜の様に成り雪が積もります。
Zone-x は、昨年まで草魚が自由に出入りが出来き、2000 年6月21日には群生していたヨシが草魚に一夜にして砂漠のように食べ尽くされしまいました。それ以来毎年食べ続けられています。草魚は、夜行性の様でその姿は確認できません。
6月9日の観察では、ヨシ21本、ガマ1株、フトイ1株、ヒルムシロ5株が防護網の内側近くで確認されました。 周囲の実験施設にはヨシ、ガマ、フトイ、ヒルムシロ、等が群生しています。 昨年度、放流されたウグイが数十匹ブラックバスから逃れて隠れ家として住み着いています。

2004年8月25日(水)
野尻湖の北側湖畔に草魚が死んで流されているのを、近くの住民が発見して野尻湖ナウマンゾウ博物館へ連絡しました。
体重 11.4kg
全長 97cm
体長 88.5cm
体高 23.5cm
頭長 17.8cm
(資料提供 野尻湖ナウマンゾウ博物館)







トップへジャンプ


インデックスへ戻る