
| 富山県西南の都市、高岡。その駅前(右の写真)には、目立たない路面電車が入ってくる。 |
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| その名も万葉線。私鉄が手放した路線を第三セクターが引き受けた路線だ。この乗り場だけを見ても、インフラが老朽化していることが読み取れる(左の写真)。 |
| そんな路線も、何とか一年の間生き延びたらしい(右の写真)。 |
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| 二十数分この電車に乗ると、中伏木という駅がある。このあたりは、北は海に面し、東西は川に挟まれていて、東側の新湊市の飛び地のようになっている。しかし、地形的には高岡市の続きだ。そこに、現場がある。 |
| 川というか運河というか、とにかく水に面した西側にある駅を出て東側へ歩くと、住宅街の中に大きな建物の上の方が突き出ている(左の写真)。 |
| それが、中伏木小学校だ。より近くへ進んでも、見えるのは上の方ばかりで、様子ははっきりしない(右の写真)。 |
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| それなりに近代的な校舎は、狭い道路に面して建ち、造作を見ようとする者を拒むかのように大きな壁となって立ちはだかる(左の写真)。 |
| そんな小学校の校庭(右の写真)で、事件は起こった。2002年5月、近辺の中学生が、灯油をかぶって焼身自殺を図ったらしいのだ。 |
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| どこから見ても、この校庭は、外部から入りやすい。柵らしい柵すらない場所もある(左の写真)。 |
| プールを囲う金網さえ、小学生にも越えられるものだ。それどころか校庭は、どこから見ても侵入者を拒む意思のない構造なのだ(右の写真)。 |
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| 具体的な現場がどこであるかはわからない。しかし、この入りやすい校庭(左の写真)は、夜は単なる空地と化す。 |
| この「自殺」の真相は、定かではない。この場所が選ばれた理由も、明らかではない。しかし、一つだけ言えることがある。諸々の事情が公にされることすらない曖昧さは、憶測を生む原因となる、ということだ。 |
| ところで、水辺のこの地には、渡し舟がある。中伏木駅裏の「如意の渡し」(右の写真)も、その一つだ。 |
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| そこには、もっともらしい由緒因縁について事細かに述べられている(左の写真:クリックで拡大)。 |
| その古きよき日本の姿がすべてではない。屋内には、読みにくいロシア語の貼り紙があり、乗船するには200円が必要である旨が示されている(右の写真)。 |
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| ロシア人の上陸が少なくないであろうこの地のそんな渡し場に、人影はほとんどない(左の写真)。 |
| 国外からの来訪者も少なくない、地方のただの住宅地。様々な摩擦があったであろうことは、想像に難くない。例えばそういった事情も、この「自殺」の遠因かも知れない。そのように考えるのは、単なるこじつけかも知れない。しかし、はっきりと語られない問題を相手にする以上、可能性を否定することはできない。 |
| ところで、中伏木駅(右の写真)には、駅員はいない。それどころか、建物すら存在していない。 |
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| そんな駅でも駅前には花壇があり(左の写真)、社会福祉系のバスも停まる。 |
| その裏には、使われていないホームと線路が残っている(右の写真)。 |
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| われわれ取材班は、やけににぎやかな意匠の電車(左の写真)で、鉛色の海と空から逃れたのであった。 |