『 週刊 Hanko 』 614-2号
◆甥っ子きたる!◆ ◇ご褒美◇
※『週刊Hanko』614-1からの続き
◇ご褒美◇
甥が来たとき、「10日は無理でも、5日頑張ったらご褒美あげるね。」と言ったのです。目標を持って頑張れるならそれもいいかな、と思って。実は、甥の誕生日・クリスマス・入園入学の折りに、学研の図鑑を1冊ずつプレゼントしてきました。甥は昆虫や魚が大好きで、それをとても楽しみにしてくれているので、今回もその続きでいいかな、と思っていましたが、「欲しい物があればそれでもいいよ」と本屋さんに連れて行きました。彼は迷わずマンガの棚を探しに行きましたが、「僕の欲しい物はここには無い」と。「じゃぁ、とりあえず今回はいつもの図鑑にして、本当に10日頑張れたら欲しい物をおじさんに買ってもらおう」ということにして、その日は図鑑をプレゼントしました。
ところで、何が欲しいの?と聞いてみると、「あしたのジョー」だ、と。
実は、弟が大事にしていて捨てられない本がまだ実家に並んでいるのですが、その中に1980年発行のKC(講談社コミック)「あしたのジョー」もズラリと並んでいます。子供達も大好きでいつも読んでいますが、全20巻中3冊だけなくなっている…。「パパに、全部揃ってなくて悲しい?って聞いたら、『ちょっと悲しい』って言ってた。だから、それを揃えてあげたい」と。
思わず涙腺が熱くなってしまいました。頑張ったからなんでも好きな物を、と言ったら、自分でなくパパのために探しているなんて!
甥は、3冊手に入れてパパを驚かせるために、10日頑張るつもりでいるらしいので、「よーし、じゃぁ古本屋さん巡りをしよう!」と市内のお店を全部回りました。が、どこにもない!お店の人に調べてもらうと、当時のKCは絶版で、今注文できるのは集英社版(全16巻で本の大きさも違う)と、古書として入荷する2003年の「完全復刻版」に可能性があるのみとか。集英社のは「大きさが違うからダメ」(甥)なので、復刻版を探すしかない。でも肝心の探している3冊はどこにもな〜〜い!!
結局甥は、色々な都合で10日たたずに東京に帰って行きました。でも帰る前に、「インターネットで探してあげるからね!」とこっそり約束したのです。「それでもなかったらごめんね」と。
その後、(検索に苦労した甲斐あって?)それはめでたく見つかりました。やったー!と心の中で歓声を上げ、甥に届くよう手続きを済ませ、それが本当に「届いた」という知らせが来るのを、わくわくしながら待っていました。
そしてこの週末。「おばちゃ〜ん、あの本、届いたよ!!」と甥から電話が。すごくいい声!(^^)「パパが感動して泣いた!(^O^)v」
そうだろうそうだろう、子どもにこんなプレゼントをもらって泣かないわけがない!おばちゃんも、一役買えて嬉しいよ!
本当に、たった一週間ちょっとだったけど、収穫の多い毎日でした
特に、血が繋がっているとはいえ、一緒に暮らすのは初めての甥と、お互い探り合いながら関係を築く時間は新鮮でした。「あしたのジョー」のおかげで、最後にぎゅっと結ばれた気がしたのは私だけかな??パパは連日一緒に里山を満喫して、男同士絆を強めたことでしょう。期待のクワガタが、(ちょっと時期を外して)今年はゲットできなかったようだけど、来年またチャレンジしてね!
淋しいこと、痛いことを克服して頑張ったこの夏を、3冊の「あしたのジョー」が、きっとしっかり覚えていてくれると思います。(^-^)
2006. 8. 27 斎藤 範子(Hanko)
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