『 週刊 Hanko 』315号


 この辺は,家の数より柿の木の方が多いかと思うほど。どの家の柿もだいだい色の実をたわわにつけ,紅葉前の村の景色に彩りを添えています。黄金色の稲があちこちで刈り取られていく実りの秋,収穫の秋。道端では,サルビアの燃えるような赤,小菊の鮮やかな黄色,ほうき草の渋い赤紫も,色とりどりのコスモスと共に秋を飾りつけています。春とはまた一味違うすがすがしさ。天高く,身も心も肥ゆる季節です。

◆「嫁」と「姑」◆
 今に始まった事ではないけれど,やっぱり難しい問題だなぁと思った話。

◇春歌の健診で一緒になった人の話◇
 産後1カ月で元の体重に戻ってしまったというのでビックリしたら,「産後,実家に帰れなかった」とか。「それで,退院後は義理の母が毎日来てくれたんだけど,来るたびに『部屋が片づいてない』『まだ夕食の支度ができてない』,あれがしてないこれがしてない…って言うんだよね。全然寝てられなくて,ストレスがたまって食欲も出なくて,1カ月で元の体重に戻っちゃった」と。出産後はあふれるほど出ていた母乳も1カ月で出なくなり,それからずっとミルク。出歩く時は,「粉ミルク・適温のお湯を入れたポット・哺乳ビン4本」を持ち歩くのだとか。。。

 もともと母親というのはうるさいものなんですよね。私の母も,突然現れては「部屋が散らかってる!」,たまたま夏希が牛乳をこぼしたのを見て「食事のしつけがなってない」,「ママ,ママ」と追いかける姿を見て「幼稚園に行かれない子になったら困る」と…。子供や孫のことが心配なあまり,つい口に出ることなんでしょうが,言われる方はカチンと来る。実の母だから「そんなこと言いに来るなら来なくていい」などと平気で言ってしまうけど,義理の母ではねぇ。しかも産後の一番大変な時期に,助けてもらえず追い詰められるのでは,ストレスたまるのも当然です。幸い,ご主人は優しくていい人のようですが,オッパイが出なくなってしまったのは本当にかわいそう。出かける時の荷物が多くて重い,という事よりも,それを用意したり片づけたりする手間の方が大変だし,時々ふと「あんなにたくさん出てたのに…」と思ってしまう心こそが苦しいのですよ。

◇散歩ですれ違ったおばぁさんの話◇
 ベビーカーでお散歩してたら,おばぁさんがのぞきこんで「かわいい子だねぇ。オムツは紙を使ってるの?」
 いきなりオムツの話?と思いつつ,紙と布と両方使っていると言ったら「最近はやっぱり紙が便利だからねぇ」
 どうもこのお宅には,女の子が生まれて4代の女がそろってしまったらしいのです。そのひぃばぁちゃんが言うのには,ばぁちゃんがせっかく布オムツをこしらえてやったのに,若い嫁は紙オムツばっかり使っているとのこと。まだ生後50日だというので,「毎回ウンチが出る間は布だと大変ですから…」とフォローしてみましたが…。

 せっかく作った布オムツを使ってもらえないのも残念だけど,今時紙オムツを使って咎められるお嫁さんも大変ですよね(環境問題で咎められるならまだしも,嫁姑問題だからねぇ)。おばぁさんには「平気な顔で」と映るかもしれないけど,上に二人もお姑さんがいるという環境が,そもそも大変だと思う。プレッシャーですよねぇ。どんなにいい人同士でも,「嫁と姑」の関係になると,うまくいかないって言いますからねぇ。

 こうやって,嫁と姑の話を聞かされるたびに,あー根が深い問題だなーと思うのです。突然会った見も知らぬ人にさえ,ついしゃべってしまうほど(…あるいは,見も知らぬ人にしか話せないほど)わだかまりの強い問題なのだと思います。私なんか,同居してるけどお姑さんはいないし,子供がいるけど二人とも女だから「姑」として嫁を迎えることもないし,あー良かったなーと,つくづくしみじみ思ってしまう。
 嫁と姑問題をかかえる皆さん,一番肝心なのは「旦那」の態度ですよ。いつも奥さんの味方になって,お母さんには折々のプレゼントで我慢してもらっている,という人もいるそうです。女同士というのはなかなかやっかいなのです。ふんふん,と聞き流しているばかりではいつか大爆発するぞーっ。どうぞこじれないうちに,うまく仕切ってあげて下さいね。

◆古紙問題◆
 日頃,ティッシュもトイレットペーパーも再生紙の物を選んでいますが,皆意外と白いですね。今回,牛乳パックと古紙を原料に,蛍光剤・染料を一切使っていないという物を買ってみましたが,やはり多少のちりはあるものの,充分白い物でした。
 先日,古紙問題をとりあげたTV番組を見ました。現在,古紙(雑誌)の在庫は昨年の6倍以上にも達し,リサイクルの回収を中止している所が多いとか。古紙は靴などの紙箱やダンボールにしかならず,需要が少なく,だぶついてしまうのだそうです。
 普通「再生紙」と言っても,白さを出すために,オフィスから出る事務用紙や牛乳パックなど高級な紙のみを使用していたり,漂白剤(ダイオキシンが発生する!)を使用しているものがほとんどです。青森には古紙からトイレットペーパーを作る会社があったそうですが,黒ずんだ紙は売れず,閉業してしまいました。唯一健在の古紙を原料にしている製紙会社は,やはり売れないので,昔懐かし「ちり紙」にしているそうです。

 今,ゴミの減量は大きな問題です。ゴミにしないために無理に集めている古紙を,無理してでも使わなければならない時代になっているというのに,再生紙にも白さを求めてしまっては,紙はまわっていきませんよね。どうせトイレに流してしまう紙なんか,黒くたっていいじゃないですか。こうなったら,生協とか,大手企業とか,大口消費者をかかえている団体が積極的にグレーのトイレットペーパーを使うよう努力しなければいけないのでは?と思うのですが,そういうのってどこに提言したらいいのでしょうか。今時,白い再生紙なんか,ちっとも地球にやさしくないですよねぇ。

 平成11年度からは,学校の教科書も再生紙を使う方針を文部省で固めたとか。教科書会社では,「白さを下げ,ちりを容認してもらえれば古紙を使える」と言っています。色にこだわらない意識革命,学校の教科書でもしっかり始めてほしいものですよね。

◆たまには料理の話◆
 大きなさつまいもをたくさんふかしたら,さすがに食べ切れなかったので,ためしにジャガイモの代わりにカレーに入れてみました。これがけっこうおいしかった!で,今回は最初から(生から)使ってみました。1cmくらいの小さい角切りにしてみたのですが,口の中でとろっととろけて,なかなかイケます。ジャガイモよりほのかに甘くて美容によさそうで,これは「カレー秋味」かな。季節限定。どうぞお試しあれ。

 水も風も冷たくなって,唇も手肌も荒れてきました。クリームクリーム…。でも,心の方はできるだけ,すべすべさらさらいきたいものだと思います。気持ちのいい秋ですもの,ね。(^_^)

 ではでは。

1997.10.21 斎藤 範子(Hanko)



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