『 週刊 Hanko 』316号


 うっすらと色付き始めた山々に囲まれ,こんにゃく堀りが始まりました。私はお茶出しが日課となりつつあります。夏希は,お茶の時間にトラクターに乗せてもらい,ご満悦。これから一ヵ月余り,こんな日々が続きます。終われば年末。今年も迫って参りました。

◆秋の戸隠◆
 予定通り,2度目の戸隠旅行に行って来ました。ずっと暖かだったのに,先週末は急に冷え込んで,戸隠は吹雪??という噂もあったのですが,雪がちらほら舞う程度で助かりました。もう紅葉の盛りは過ぎていて,落ちたカラマツの葉が路上に積もり,車の後ろを雪のように舞い上がっていました。
 今回のメインの一つは信濃美術館「モネからピカソまで」だったのですが…。いやー,2歳児に絵画がわかるハズもなく,ただ広い空間に狂喜乱舞して飛び回るのを追いかけるのがやっと。シャガールもズラリと並んで壮観だったのに,のんびり鑑賞などしているどころではありませんでした。ふーー。^_^;
 で,しかたないので「鑑賞」は諦め,雪が舞うのでお散歩も諦め,ひたすら食べ歩きに専念しました。いや,これは正解。余は満足じゃ。(^_^)

◇カレーとケーキのお店「パイプのけむり」◇
 10年前に脱サラして,戸隠の山ン中でレストランを始めたというオーナー。13種類のスパイスの効いた手作りカレーは実においしい!それに奥様の手作りケーキも逸品。全然舗装されてないガタガタ道で不安になるような所だけれど,白樺に囲まれた静かなたたずまいで,靴を脱いで上がるのが普通の家みたいでなかなかいい。時々野外コンサートやネイチャーゲームなども企画しているとか。「ついこの間,ハープのコンサートやったんですよ」と仰ってました。また何か企画がある時にも行ってみたい所。

◇シュトゥルムがあった!斑尾高原農場「サン・クゼール」◇
 9月のウィーンに行った時,ぶどうジュースからワインになる途中の,まだ醗酵が進んでいない「シュトゥルム」というものを売っていて,これはイケる!と毎日毎食飲んでいました(2リットル瓶で買って。醗酵中なのでフタがしていない,つまり,持って帰れない,まさに旬の飲み物。日に日に味が変わる)。
 どうして日本にはワインの産地があってもシュトゥルムがないのだろうとずっと疑問だったのですが,ここで「どぶろく風ぷちぷちワイン(10月初旬仕込み)ただいま醗酵中!」というものを売っていました。グラス1杯100円。(一杯じゃなく,ほんの一口だったけど)
 むむ,これは!!と思って,飲みました,飲みました!
 まさしく,ウィーンの満たされた日々を彷彿とさせる味でした!ぅぉーー,あったのだ,日本にも。ウレシイ! でも,なんてケチな売り方なんだろう!ウィーンでは,グラス1杯250mlで,210円くらいでした。2リットルで買うと680円くらい。でも,この段階で売り物にしてしまうと,日本ではワインの生産量にヒビクのかなぁ。
 でも,ある,ということがわかって嬉しかった。この時期しか飲めないものなので,巡り会えて良かったです。(^_^)

◇お,おいしい!回るファミリーずし「みふね」◇
 ペンションのオーナーが教えてくれた,長野市内の回転寿司。これが,昼時など行列が出来ると言うので,どれどれ…と行ってみました。半分は普通のカウンター,半分は,カウンターに垂直に4〜6人掛けのテーブルがくっついていて,同伴者と向かい合って食べることができます。
 一皿とって食べ,目がまんまる!もう一皿とって,さらにまんまる!どれを食べてもおいしいのなんのって。実は,夏希が眠ってしまったので,車の中に置きっぱなしにして親だけ楽しんでいた不届き者。^_^; で,あんまりのんびりできなかったので,これで最後,これで最後…と言いつつみるみるお皿が積み上がってしまいました。それでも,甘海老を食べ損なったのは今でも悔しい!あー思い出しただけでもヨダレが…。またいつか食べに行こうっと。(^_^)

◇手作りパンの店「TENTH BEAR」◇
 これもオーナーの紹介。「みふね」のすぐそばにあります。やはり早く行かないと売り切れ続出とかで,私たちが行った時も「今週のベスト3」のカゴはカラッポでした。でも胚芽食パンもぶどうパンもおいしかった!ベスト3は焼き上がり時間をチェックして行かないとダメかな。
 もう一軒すぐそばに,これまたオススメのベーカリーがあって,ここはレストランもやってます。ランチを頼むと焼きたてパンが食べ放題なんだとか!いいなーっ!戸隠の行きに帰りに楽しめる場所ができました。ウレシイ。

◆劇的な瞬間◆
 今回ペンションで,20代後半の男女12名と一緒になりました。大学時代からの仲間だそうで,このペンション(ラブ・アップル)にお馴染みの子も多いとか。皆礼儀正しくて気さくで,夏希たちもかわいがってもらい,私達まで若返ったような気分にしてくれるさわやかなグループでした。
 夜,食堂でオーナー夫妻と話し込んでいる時,隣りのラウンジでは彼らが賑やかに飲んでいました。が,そのうち「ちょっとプロポーズするそうなんで,音楽変えます」と誰かが報告に来て,何かゲームか冗談か…と思っているうちに,拍手と歓声があがり,え?まじ?と興味津々でいた所へ,問題の二人が嬉し涙で目を真っ赤にして「おかげさまで,結婚が決まりました」と,オーナーの所に挨拶に来ました。
 2年半ほど付き合って,彼の方は心を決めていたのだけれど,彼女の方は思いがけないプロポーズで「嬉しかった」と。彼は「いきなり泣くんだもん…ダメかと思った」と,照れていました。
 多少自信があったから皆の前でプロポーズできたのでしょうが,しっかし勇気あるなぁ。でも,人様の結婚が決まる場に立ち会えるなんて,なかなかできない経験をさせていただきました。二人の素敵な笑顔はオーナーがしっかりポラロイドカメラで写し,ペンションのアルバムに貼りつけられて,みんなのメッセージに埋まっていました。
 友達は宝だなーと,改めてしみじみ思うシーンでした。(^_^)

 こちらの紅葉は,これからが本番です。自然にひたりたい方,こんにゃく芋を御存知ない方,どうぞ農作業体験ツアーにお出掛け下さい。喜んでお迎えいたします。(^_^)

1997.11.01 斎藤 範子(Hanko)


PS
 お父さんが,「浅香入の歴史と伝承」という冊子の著者として,富岡広報で紹介されました。(11月1日号)
 旦那は,ホームページの「蟻」がおもしろいということで,FM群馬で取材されることになりました。11月11日午後1:10〜の放送です。



☆感想のお便り、お待ちしてます。 MHE02043@niftyserve.or.jp

『 週刊 Hanko 』 メニュー →

Abu Saito TOP PAGE →