とうとう夏休みも今日が最後。 旦那の協力を得られるうちに,頑張って旅行記を書かなければ…!(^^;) ◆第2部 心に残ること◆ ◇美瑛のペンション “トロルド・ハウゲン”◇ 兵庫出身の彼と,福岡出身の彼女が,北海道で知り合って,結婚して,北海道でペンションを始めて8年目…という話はあとで聞いたことですが,驚かされることの多いペンションでした。まずその建物の造り。全館木のぬくもりに満ちた家で,玄関の奥の食堂はグランドピアノが置いてあり,そのままコンサートホールに。そこは2階まで吹き抜けで,正面の全面ガラス張りの大きな大きな窓から見える景色は美瑛の穏やかな丘がどこまでも。 2階には部屋が6室。それぞれ,モーツァルト,ブラームス,ショパン等々音楽家たちの名前がついていて,ななんと斎藤家が泊まった部屋は「フォーレ」であった。旦那の嬉しそうなこと!(^_^) そしてあちこちにネコバスやトトロの飾りがさりげなく顔を出している。 お食事のおいしいことはもちろん,夜のコンサートが素敵。奥様のピアノでショパンやドビュッシーの名曲を聴いた後,スライドで美瑛の紹介。BGMはオーナーのピアノで。それからご夫婦のデュエットに,ギターやピアノの弾き語り(オリジナル)。これがまた,小田和正ばりの透き通った声で,え,あのおヒゲのお兄さんが(そう,オヒゲが立派なんです)こんな声を出すの…!?と,びっくりしつつもその世界に引き込まれてしまうのであった…。 ゲストカードにクラシック曲のリクエストをすると,食事の時にBGMでかけてくれる。そのライブラリーの充実していること。あれもこれも,ないものがない(フォーレのリクエストに全部答えてもらって感動する旦那)。若い頃はガンガンのエレキギタリストであったらしいが,もっと昔,小中学生の頃からクラシックに親しんでいた,その賜物らしい。ピアノは,弾けと言われれば即興で何時間でも弾いていられるとのこと。 コンサートの後,皆で輪になってお茶をいただく。あれこれ話して夜も更けること11時過ぎ。「あ,そろそろネコバスの時間!皆さん,電気を消して窓の近くに集まって下さい」 え?何事?と思いつつ,ガラスにはりついて息を飲む。ドキドキ。果たしてしばらくすると,右手後方がパーッと明るくなり,… あ,バスだ! 木立の間をネコバスが!? 幻のように走りぬけて,消えて行きました…。 え?あれは何だったのでしょう。…と聞いても「ネコバスです。(^_^)」と,涼しい顔の奥様。定期バスにしては時間が遅すぎるし,反論の余地もなく,翌朝子供に「ママね,昨日ネコバス見ちゃった!」と自慢している母であった。^_^; それはともかく,ここは音楽(クラシック)好きの人にはたまらないペンションだと思います。富良野・美瑛に行かれる際は,ぜひ思い出して下さい。 ※トロルド・ハウゲンのHPは http://www.teleway.ne.jp/~owc.trold/index.html ◇動物園・水族館・飛行機バス◇ さて,これら3つの共通点は何でしょう。 今回,子供向けに動物園・水族館を回り,色々な乗り物にも乗り,そしてふと思ったことが,これでした。 世の中,命を預かる仕事がたくさんあるんだなぁ,と。 動物園や水族館は,貴重な動物や魚の命を預かっている場所なのですね。それぞれの生き物の生態を知り,環境を作り,エサを与え…。見殺しにするのはたやすいが,元気に育てるのは大変なことだろうなぁと,しみじみ思いました。バスや飛行機だって,人の命を運ぶ物だしね。命に関わるのは,お医者さんばかりではないのですね。 ◇ANAの機長さん◇ 千歳空港に着いた時,飛行機から降りて通路の窓から振り返ると,ちょうど操縦席が見えて,そこから機長さんが手を振っているのが見えました。夏希と春歌が見えたからだと思いますが,しばらくお互いに手を振り合って別れました。あーあの人がここまで私達を運んでくれたんだなぁ。もしかすると,この前のハイジャック事件で亡くなった機長さんのお友達かなぁ…。普段は縁のない機長さんと,ささやかな交流ができて嬉しかったです。 旅の全体を通して,北海道の人は暖かい,という印象が残りました。茶髪のお兄さんも,子供を抱いた私のためにドアをあけてくれたし,ソフトクリーム屋のお兄さんもとても親切だったし,カニを食べたレストランの主人は,VISAカードなら5%引き…と言いつつ,JCBカードでも割り引いてくれたし,何より札幌で一緒に飲んだ方は,今は社長さんだと言うのに,その昔役にも立たなかった私を北海道で歓迎してくれたし…。 いや,北海道はいい所ですね。(^_^) ちなみに,夏希に「どこが一番良かった?」と聞くと,元気よく「プール!」と答えます。動物園も,プールには負けました。まぁそんなもんかぁ。^_^; 1999. 8. 31 斎藤 範子(Hanko)
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