『 週刊 Hanko 』 391号

群馬大学吹奏楽団20周年記念演奏会<予告> & 訃報


391a.jpg (12167 バイト) ついに今年も木枯らしが吹いて,おかげで幼稚園の屋根の上に上がっていた夏希の紙ヒコーキが落ちてきましたよ,と先生が言っていました。本当に風が強く冷たく,日向に止めておいた車に乗り込むのはささやかな楽しみ。車内の熱をじわーっと吸収していく時間が,シアワセ〜。(^_^)

◆群馬大学吹奏楽団20周年記念演奏会◆
 母校である群馬大学の吹奏楽団が今年めでたく20周年を迎え,記念演奏会を開くことになりました。ついてはOBも交えて演奏したいということで出演者を募っていたのですが,私は随分悩んだ末に,参加希望で申し込みました。年明けの本番に向けて,練習は2回がやっと,あとはゲネプロ・本番…になりそうで,やっぱり無謀だったかなぁと少々後悔していたのですが…。

391.jpg (27068 バイト) 先日連絡があり,クラリネットで出るOBはたった4人。練習2回でもOKだから是非に,とのこと。ちなみに,そのOB4人の内訳は,ななんと,5期・6期生が二人ずつ(私は6期)。しかも,4人のうち3人がパル(只今活動停止状態のクラリネットアンサンブル)のメンバー。え〜,ちょっと,どーゆーことぉ〜?クラのOBって,この20年で何人いるのよぉ!
 …と,ブツブツ言っていたら,旦那が「そういう時代だったってことでしょ」。うーん,そうか,そういう時代にいたのかー。色々あって悩んだり燃えたりしたあの頃。引きずられる思いの強さが時代のせいだと言うなら,それに感謝しよう。
 メンバーを聞いて,迷いは吹っ飛び,俄然出たい!という気になりました。ばっちり当時の仲間と,一緒に吹いたことのある曲ばかりをやれるとくれば,やはり心はタイムスリップしちゃいますよね。(早速練習を開始しましたが,我も我もと子供らが競って吹き鳴らすリコーダーがうるさいことよ。^.^;)
 2000年の1月8日(土)14:00〜,前橋市の市民文化会館です。どうぞ皆様,手帳に書き込んでおいて下さいね。(^_^)

◆訃報◆
 旦那の親友であり,私の先輩であり,週刊Hankoの良き読者であったSさんが,病院で亡くなりました。白血病でした。
 昨年の夏発病,骨髄移殖のドナーが異例の早さで見つかり喜んだのも束の間,移殖後の再発,再入院。生死を分ける綱渡りのような闘病生活の末でした。まだ40歳の若さです。3人目の子供はまだ年長さん。
 時々旦那と一緒に手紙を書いていましたが,最後に書いた手紙は,なぜか思うように筆が進まず,珍しく便箋を何枚か無駄にし,考えていたのと違う内容の手紙ができあがって不本意に思いながら投函したのでした。
 想像を絶する,あまりの治療の過酷さに,「早く良くなって」は安易に感じられ,「昨日より少しでも楽に過ごせるように」。退院が当分先なのは見え見えだったから,せめて外泊できるまで回復して「1日も早く家に帰れますように」…と書いたつもりが,数日後には,全く別の形で実現してしまったということに,ただ愕然としています。
 本当は,「100歳までとは言わないから,頑張ってご両親より長生きして下さいね」と書きたかったのに,それを何度も書きかけて結局書けなかったのはどうしてなのか。あんなに躊躇した原因はなんだったのか…。
 結局その手紙は読んでいただけなかったようですが,珍しく迷いあぐねて便箋に向かっていた自分の姿を,きっとずーっと忘れられないだろうと思います。
 書きたいと思ったことは書こう。どうしても言いたいと思ったことは言ってしまおう。遅すぎるということは,やっぱりあるのです。

 せめてもの救いは,この1年間に,発病前よりずっと頻繁にお会いできたこと。病院の無菌室で,ガラス越しの面会も何度もあったけど,外泊中のニコニコ笑顔にもたくさん会いました。病室にパソコンを持ち込んで,普段できない資料の整理をしている姿も拝見しました(立派なCD−ROM教材が残りました)。「白血病」の本当の辛さや怖さも教えてもらいました。そんな身近な人が亡くなったのは本当に初めてのことで,「死」というものを,知識としてでなく,「離乳食」として与えられたような気分。これから段々に消化し,受け入れられるようになるまで,もう少し時間がかかりそうです。
 今日はまだ消化不良状態の,初めての夜なのでした。

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1999. 11. 25  斎藤 範子(Hanko)



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