『 週刊 Hanko 』 407号
ヒヨコ惨殺事件 親抜き遠足 & テンペラ画の個展
たくさん雨が降った後,梅雨の晴れ間はきっかりと暑くまぶしく,たくさんの洗濯物がひるがえりました。こんなふうにめりはりのある梅雨は,好きです。が,暑い日はやはり疲れる。^_^;
梅雨と言えば「梅」。毎年,母に教わりながら漬けていたのですが,今年は初めて自力で漬けてみました。5キロの梅を,洗って塩水に漬けて,包丁で切れ目を入れて半分に割って種を取り,塩抜きをして水気を切って,酢と砂糖で漬けてみました。カリカリとよい音のする梅ができあがりました。もう少し寝かせれば,もっとおいしくなる予定(!?) 楽しみだなぁっと。(^_^)
◆ヒヨコ惨殺事件◆
先日,夏希と春歌がおじいちゃんとお散歩に出掛けて,近所の家から小さな卵を2つもらって帰ってきました。どうやらウコッケイの卵のようです。たまごかけごはんにする!目玉焼きがいい!などと騒ぎながら,しばらくは机の上で話題の種になっていましたが,2日後に夏希の遠足があったので,その時ゆで卵にして持っていこうということになり,冷蔵庫に移しました。
遠足の前夜,子供を寝かせてゆで卵。なべの中に入れた時,一つがぷかぷか浮いたので,「?ん?」といぶかしく思いながらも,片付けや明日の準備。ゆであがった卵は,現地でむいて食べればいいや…と,そのままにしておくつもりでしたが,子供たちが「恐竜卵がいい!」と言っていたので(ゆでた卵のカラに細かくヒビを入れて,醤油入りのお湯で20分ほどゆでると,恐竜の卵みたいな不気味な卵ができあがる),遠足だから作ってやるか…と,スプンの背でトンと卵をたたいたとたん…!!
ヒビがはいる…と思った卵のカラが,底が抜けるようにバリンと割れて,中に茶色の羽が…!!!!!!
キャッ…! …絶句…!!
体じゅうの力が抜けて,卵もスプンも鍋も放置したまま寝てしまいました。
翌朝,卵にさわる気力なく,子供に事情を話し,パパに頼んで庭に埋めてもらいました。
ああ…罪悪感。一体ヒヨコは,いつ死んだのでしょうか。。
蚊やゴキブリは積極的に殺していますが,ヒヨコ入りの卵をゆでてしまったショックはあまりにも大きく,溜め息ばかり出たことでした。
救いなのは,当日のお昼に夏希が割ったら死んだヒヨコが出てきた…という事態を免れたこと。面倒臭いと思いながらも恐竜卵のリクエストにこたえようとした自分をほめてやるのが精一杯です。あー,つがいの鳥からもらった卵には,くれぐれも注意しましょう…。
◆親抜き遠足◆〜小諸・懐古園〜
ところでその遠足,私が春歌を連れて一緒に参加する予定でしたが,春歌の具合が急に悪くなり,前日の昼から吐きまくり状態。旦那も休めないし,1日預かってくれる人もいないので,夏希に遠足を諦めさせようと思いましたが,とても楽しみにしている様子…。幼稚園の先生に相談したところ,本人の希望なら親抜きでもかまわないと言って下さったので,お言葉に甘えて子供だけで行かせることにしました。
夏希は朝早く起きて,お弁当作りにも参加し,おにぎりは自分で握りました(どろんこ遊びで鍛えているせいか,ボールのようにまんまるのきれいなおにぎりができました)。ママが一緒に行かなくても全く平気らしく,お友達と手をつないで元気にバスに乗りこんで行ってしまい,元気一杯楽しんで帰ってきました。遠足の親抜き参加は前例もあったようですが,受け入れてくれた幼稚園の先生や,現地で色々と面倒を見てくれた友達のお母さんに,本当に感謝しました。
春歌の方は,病院帰りの車の中からこんこんと眠り続け,お迎えの時間にやっと起きました。1日休めて良かった。おかげでその翌日にはケロリとして,なんでもバクバク食べるいつもの春歌に戻っていました。なぜよりによって遠足の日に…!? 不可解な出来事ではありました。
◆テンペラ画の個展◆
友達のお姉さんが,絵の個展を開くというので,前橋まで行ってきました。大学で美術を専攻し,卒業後も幼稚園の先生をしながら意欲的に制作に取り組んで数々の展覧会で入賞している…というだけでも驚きなのに,今回展示されていた作品のほとんどが,闘病生活の中で描き上げたものだと聞いて,ますます驚いてしまいました。
悪性リンパ腫。昨年1月の検査で発見された時は,もう第四期。肺癌や胃癌だったら,あとはもう死ぬのを待つばかり…という段階だったそうです。が,放射線治療がよく効いて奇蹟的に回復し,今では普通の人…に見えますが,その間には,薬の副作用で髪が抜け落ち,吐き気が続き,げっそりとやせ…。本人も家族も,本当に大変な1年だったと思います。今でも2カ月に1度抗ガン剤を注射する生活,爆弾をかかえていることに変わりはないとか。
そんな中でキャンバスに向かって絵を描き(しかも暗くない,やわらかく夢のある作品を),完成させるエネルギーというのは,本当にすごい!と思ってしまうのですが,「そんなの当然よ」と軽く言ってのけるお姉様に,返す言葉もありませんでした。
絵は,「テンペラ画」という,私には耳慣れない画法で,「ボッティチェリもそうなんですよ」と言われて旦那は「なるほど!」と納得していたようですが,私はちんぷんかんぷん。顔料に卵と何やらを混ぜると,水に溶ける絵の具ができて,それを使って(油絵では描けない)細かい線もひくことができるのだ(?)…というような説明をしてもらいましたが,「この大きな絵を描くのに卵はどれだけ必要なのだろう」とか「卵を使っていてもカビないのだろうか…」などと,下らない疑問ばかりが出てくる自分に,改めて絵画に関する知識の無さを実感しました。(お姉様,大変失礼いたしました(._.))
それにしても,どんな状況にあっても,好きなことを形にして残していける,というのは素晴らしいことですね。その才能と努力とに,心から拍手を送りたいと思います。
2000. 6. 20 斎藤 範子(Hanko)
☆感想のお便り、お待ちしてます。 hanko.saito@nifty.ne.jp
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