『 週刊 Hanko 』 418号

夏希復帰! 森絵都著「カラフル」& 古館伊知郎トーキングブルース


418a.jpg (4499 バイト) みかんを箱で買う季節がやって参りました。(^_^) うれしくって毎日ばくばく食べています。去年食べて感動した「無茶々園」のみかん(週刊Hanko No.399),今年も注文しました。届くのが待ち遠しい!

◆夏希復帰!◆
 丸々一週間以上幼稚園を休んで,やっとおたふくから復帰しました。この間私にとっては天国でしたが,春歌にとっては序々に地獄になっていったらしく,後半は外に出たくてイライラ!特に朝,パパが出掛けていく時が一番のピークで…
パパ「行ってきま〜す」
春歌「ダメ!春ちゃんも連れて行って!どうして春チャンを置いていくのよぉ〜。春チャンも行きたいよぉ〜!」(連発)
夏希「い〜じゃん。おうちにいて,おいしい物食べていよーよ」
ママ「そーだよそーだよ,のんびりしよ」
(注:夏希の言う「おいしい物」とは,アイスとかチョコとかを指す。「おたふくのため痛くて何も食べられないかわいそうな人」に,期間限定で出されていたオヤツ)
 まぁ,春歌が一番健康だったということなんでしょう。^_^;

418b.jpg (8168 バイト) そういうワケで,家ですっかりラクをしてしまった体には,次の一週間がこたえました。たまたま,お引っ越しで転園する人の送別会やら,ため込んだ買い物やら,おじいちゃんの面会やら(また老健施設にはいっています)連日外出続きだった上に,教会の原稿打ちがいくつか重なり,しかも慣れないソフトでブロック編集?などやったら2時3時…が3日も続いて,ついにカゼをひいてしまいました。^_^;
 でもそこは妊婦の強み,週末の旦那をこき使い(肩もみ,朝食の用意,子供の相手等々),強引に治してしまいましたが。^_^; フツーの体でも,午前様が続くとキツいトシですもんね。気をつけねば。^_^;

◆「カラフル」◆ 森絵都著 理論社(\1500+税)
 最近,台所でよく聞いているNHK-FMの「青春アドベンチャー」とかいう朗読劇の番組で「カラフル」というのを聞きました。毎回聞けなかったけど,けっこうおもしろそうだな…と思っていたら終わってしまい,ところが別の番組でこの原作の紹介をしていて,へー…と思う間もなく愛読誌「BSfan」10月号でこれが映画化されたことを知り(森絵都原作・森田芳光脚本・中原俊監督・ジャニーズJr.の田中聖主演,11月3日公開),続いて同誌11月号では「映画制作現場」なるコーナーで紹介されていて,さらに久々に図書館に行ったら,いきなりその「カラフル」という黄色い本が目に飛び込んできたので迷わず借りて,その日のうちに読み上げてしまいました。

 そもそも森絵都(もり・えと)という作者は何者かと思ったら,1968年生まれの女性で,講談社児童文学新人賞,椋鳩十児童文学賞,野間児童文芸新人賞,産経児童出版文化賞ニッポン放送賞,路傍の石文学賞等々を受賞,児童文学界では有名な人だったみたい。^_^;(御存知でした?)「カラフル」も,とても読みやすくて暖かいファンタジーです。
 あらすじは… 死んであの世に行く所の主人公(魂)が,「おめでとう!君は抽選に当たったよ!」と天使に声をかけられ,本来地獄に落ちる所を,輪廻のサイクルに戻るための再挑戦のチャンスを与えられる…それはつまり,自殺した少年の体を借りて生活し,前世の過ちを思い出せ…というもの。
 自殺した少年小林真は中学3年生で,彼の家庭や学校生活をものすごーく客観的にみつめる主人公(魂)が,隣人の様々な(意外な)事情を体験の中から感じとりつつ,真の「誤解」や自分の過ちに気づいていく…という過程が,とてもテンポ良く描かれていて,楽しめる作品でした。
 それにしても,一つの作品に対して偶然にも短期間に次々と情報が転がりこんできたのは珍しいことで,ちょっと「赤い糸?」を感じたのでした。

◆古館伊知郎トーキングブルース第十二興行「お経」◆
 毎年,年末恒例に行われている古館伊知郎のトーク・パフォーマンス,もう12回を数えるそうですが,私は先日(11/2) WOWOWで放送されて初めて知りました。いやはや,すごいですね。昨年末の「お経」をテーマにしたステージ(於京都・永観堂禅林寺),2時間ぶっつづけの話芸にひたすら圧倒され,最後まで引き込まれて見て(聞いて)しまいました。
 「お経」を鋭く掘り下げ,研究して考察して2時間のトークを構築するのも,それを一気に休みなく間違いなく淀みなく喋り続けて人を引きつけて放さないパワーもすごい。でも本当にすごいのは,自分に与えられた賜物を磨いて,こんなステージをライフワークにして毎年挑戦し続けているその姿勢だと思いました。
 「僕にとってしゃべりは自分自身の存在証明。自分の柱が何かをみつめ直す場なんです。… 僕は喜怒哀楽を喚起させるしゃべりをやりたい。タイトルが『ブルース』ですから。自然と涙がこぼれる『言魂』にまできわまったしゃべりをいつか実現したい」という談。舞台を見て納得しました。今年も11/28〜12/4 にかけて,東京パルコ劇場で「トーキングブルース13th 何を見ても何かを思いだす」が上演されるそうです。生の舞台は無理でも,来年2月以降に放送予定という WOWOWに期待しよう!

  * * *

 そうこうするうち,夏希のおたふく発病から2週間がたち,今度は春歌の顔がふくらんできました。たまたま遊びにきてくれたご夫婦の,ご主人の方がまだおたふくをやってない!というので,旦那があわてて春歌をドライブに連れだしたりしました。10歳以上の男性で,おたふくで睾丸炎を起こす確率は20〜30%,その後男性不妊等の後遺症が残るのはさらに低い頻度だそうですが…。ゼロではないのですよね。^_^; まだかかっていない方,ワクチンを打った方がいいですよ〜。気をつけて下さいね。(^_^) では,また。

2000. 11. 5  斎藤 範子(Hanko)



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