『 週刊 Hanko 』 452号
年明け闘病記 & 笑い崩れた初笑い
成人式が無事に済んだ済まない…という新聞記事に,「成人式ってなんだろう」と考えてしまいます。日本のある地域だか,どこかの国だか忘れましたが,ある恒例行事を「新成人」に全面的に委ねてすべて取り仕切ってもらい,それが無事終わると成人として認められる,というような話。人を動かしたり物を用意したり,それなりの配慮って大切です。協調性も問われます。人の苦労がわかります。着飾って出掛ければいい「成人式」でなく,皆で何か成し遂げるイベントにならないかなぁと,ひそかに思う今日この頃です。
◆年明け闘病記◆
年末からの風邪が,いまひとつサッパリしないまま迎えた新学期。やはり久々の幼稚園生活はハードなのか,最初は二人ともぐったりしていました。そして,ずーっと奇蹟的に元気だった真希の番が,本格的に巡ってきたのです。
真希が病気になると大変。身をくねらせて大泣きされても,痛いか痒いか気持ち悪いか全然わからず,とにかく試行錯誤,抱いてなければ寝ないとなれば,パパと二人で交代でだっこしたまま朝を迎える。やっと明け方うとうとした所で,夜中の騒ぎを物ともせず熟睡していた上の二人がむくっと起きて「ママ〜,おなかすいた〜。いつまで寝てるの〜?」…勘弁してくれ〜〜。
それにしても,いつも上の二人には 1/3以下の目しか行き届いていないのに,真希の具合が悪くなるとさらに放任になる。健気にも夏希は「ママ,夏ちゃんは自分でできることは全部するから,できないことだけ手伝ってね」なんて言ってくれるので,「ううっ,ありがとう!」とばかりに,そんなこと言ってない春歌までそっちのけ…^^;。こんな日が何日が続くと,幼稚園から「あのー,春歌ちゃんが熱を出してぼーっとしてるんですが…」と電話がかかってきて慌てて迎えに行くことになる。
いたく反省し,「ごめんね,春ちゃん,今日こそ春ちゃん優先だからね!」「うん,ママ!」とひしと抱き合っているその時に「…ぶぶぶぶ〜っ」と不穏な音。真希が上着まで達する立派な「う○ち」をしてくれて「…ごめん,春ちゃん,ちょっと待ってて…」とバタバタやってる間に,春歌はふて寝,朝もふくれっつらで起きてくることに。
…ごめんよ〜,こういうのをシワヨセって言うんだよね〜。決して気にしてないワケじゃないんだけど,毎日一番たくさんの欲求不満を抱えて眠りについているのは春歌でしょう。本当に「春ちゃん優先」の時代は,いつやってくるのだろうか…。母と次女の試練の時は続く…。
ところで,風邪が一巡りしてもういいかと思っていたら,途中で「結膜炎」が併発し,しかも小児科でもらった薬が合わなくて,数日後に眼科に行き直したりして,果てし無き戦いに突入!? とうとうママがギブアップしました。考えてみたら,真希が生まれてから400日以上も「熟睡」してないんだもんねぇ。その上連日の看病はコタエルよ〜!ってことで,この連休は母が上の二人を引き取ってくれて,旦那も全面的に家事手伝ってくれて,改めて「寝正月」させていただきました。ありがたや〜。
やはり強烈な頭痛は寝不足が原因だったらしく,一日好きなだけ寝てたら解消しました。あとはノドの痛み。これがまた,破れそうなほどの激痛で,内科でなく耳鼻咽喉科に行ってきました。で,「粘膜の調子を整える薬」なる物をいただいて,ある所にはあるんだと感心しましたが,1回飲んだだけで大分いいです。あぁ,もっと早く行けば良かった。
そういえば,健康診断というのも結婚以来行ったことがないのです。実は幻の「結婚前の体重」まで戻ってしまい,ちょっと心配(食欲はすごいのに)。もう少し落ちついたら人間ドックとか行きたいな。皆さんは(奥様も),ちゃんと健康管理してますか。
◆笑い崩れた初笑い◆
幼稚園のお友達Yさんの話。
先日冬休みも終わりの頃,マーケットに寄ったら,隣の車が「夏ちゃんちのだ」(うちの旦那が一人で出掛けた時のことらしい)。で,Yさんが一人でちょっと買い物に行ってる間にうちの旦那が戻ってきて,Yさんのご主人と子供たち二人と新年の挨拶を丁寧に交わして「それじゃぁ」と,旦那が去った所へYさんが戻ってきた。
「あれ?靴があるよ」とYさん。「…誰のかな」と皆。
この後が,人のいいYさんらしい話の展開で,本当に泣ける。
「斎藤先生かな」「斎藤先生が土禁?!らしくな〜い!」「じゃー,元々靴があった所に車止めたのかな」「…あんまりしないよね」「やっぱり斎藤先生のだよ」 家族全員で熱い議論が続く。
Yさんのご主人は,わざわざ車を降りて,「靴のぬくもり」を調べてくれたらしい。「あったかくないよ」「だって土禁なら,買い物の時履いただけだし,そんなにあったまらないかも」「そうか…」「どうする?」「取りに来るよね?」「でも持ってってあげた方がいいよ」「どこに」「家かな」「学校かもよ(家と学校は反対方向)」「どっちにしても降りられないから,ここに戻ってくるよね」「持っていかない方がいいかも」「ほっとく?」「…見なければ良かったけど,気がついちゃったからねぇ」「電話番号わからないの?」「今はわからない」「じゃぁ,とりあえず家に届けようか」「近くまでは行けるけど,自信ないよ」「じゃぁ学校?」「う〜ん…」「やっぱり,家に行くしかないか」
…かなり迷った末,Yさん一家は斎藤家へと向かった。
マーケットからYさんちは目と鼻の先。かたや斎藤家は6km以上の道のり…。
一方(これは後でわかったことだが),旦那は家に帰る途中,パンをかじりながら休憩した後,再び帰路につくと,あと1kmという所で前にのろい車がいる。なんだろうと思いつつ追い越して行こうとすると,クラクションを鳴らされ,ふと見ると,「クツクツ〜」と振り回している人が…。おや,Yさん。あれ,自分の靴…!? 「やぁ〜,すみませんねぇ。^_^;)」
しかし,旦那はこの瞬間まで靴を置き忘れてきた自覚がないのでY家の皆様に対する感謝の念がうすい。ほとんどない。…全く苦労のしがいがない話ではないか!当然のことながら,ここに至るY家のドラマなど知るべくもない。私に何も話さなかったので,私は幼稚園でYさんから聞くのが初耳だった。
聞いて,泣くほど笑ってしまった。靴を置いていった旦那もおかしいけど,Yさん一家の生き方が滲み出てるエピソードだ。Yさんがいい人なのは知っていたけど,「靴の温度」を自らの手で測ってくれたご主人にも本当に頭が下がる。真剣に心配してくれた子供たち(小二・年長)も大好きだ。靴一足で,こんなに熱くなってくれる家族がほかにいるだろうか。
立ち上がれないほど笑い崩れながら,ものすごーく,感謝した。
素敵な初笑いを,ありがとう。今年もよろしくね。
2002. 1. 15 斎藤 範子(Hanko)
☆感想のお便り、お待ちしてます。 hanko.saito@nifty.ne.jp
『週刊 Hanko 』 メニュー
→
|
|
Abu Saito TOP PAGE →
|
|
|