『 週刊 Hanko 』 485号
お正月休み前半 〜おじいちゃんと一緒〜
新年あけましておめでとうございます…。
年明け早々にご挨拶する予定が,もう10日もたってしまってびっくり(o_o!)しています。今年になって,パソコンの前に座るのは今日が初めて。10日の間にダウンロードを2回と,数行メールは書きましたが,いずれも立ったまま。理由は2つ。時間がなかったのと,私の椅子の上に旦那の資料が崩れんばかりの山積みになっていたので。今日は「週刊Hanko書くぞ,今日は書くぞ」と言い続けていたら,資料の山が,旦那の椅子の上に移っていました。^_^;(ほかに置場がないので,結局パパが立ってパソコンいじってる…。「新年」とはまるで無縁の部屋…)
…というわけで,大変大変遅くなりましたが,改めまして
昨年は,大変お世話になりました。
本年も,どうぞよろしくお願いいたします。m(._.)m
(しかし,新年早々この調子では今年も「週刊」Hankoは前途多難…)
◆お正月休み前半〜おじいちゃんと一緒〜◆
今年も昨年末から,老健施設でお世話になっている92歳のおじいちゃんが帰ってきて,賑やかなお正月を迎えることができました。
ここ数年,おじいちゃんを迎えるにあたって一番のネックはトイレ。施設のように車椅子が使えないから,誘導するのも大変だし,誘導してる間に失敗しちゃったり。オムツも夜中にはずしちゃったり。失敗するとお互いに大変なので,どうしたものかなーと思いながら,職員の方にちょっと聞いてみたところ,まだ若〜い女の子(新人らしい)が「あ,オムツの当て方にね,コツがあるんですよ」と。これをこうしてあーして…と,裏ワザを教えてくれたのです。で,昼間は食べた後,夜中は12時と4時に交換してるって。それがまるで「駅に行く道」を教えてくれてるみたいに,なんてことなく。恩きせがましくもなく,作り笑顔でもなく,ごくごく自然な爽やかさが,とても心に残ったのでした。
まだ未婚の,あんなに若い女の子が,毎日おじいちゃんの世話をしてくれてるんだー…あの笑顔で…と思ったら,なんの,たった3日や4日で大変なことなど何もない!と元気が出てしまいました。
赤ちゃんと同じ。オムツをこまめに取り替えるのが何よりのポイントです。当てかたは裏ワザ教えてもらったしネ。でも,赤ちゃんと違って(特に男の人は),「もよおすと自分で持って用を足す」という長年の習慣があるために,ついついいじっちゃうんだって。それは無意識のクセだから仕方のないことなんだって。…それに,オムツなんてイヤだよね。できることなら寝たままウンチなんかしたくないよね。…だから,おじいちゃんも昔はかなり抵抗してしょっちゅう外したけど,最近はオムツに慣れてきた部分もあって,…だからお互いのために,オムツ外し防止用の介護用品「つなぎの服」も利用してみました。いやがるかと思いましたが,大丈夫でした。それで初めて「失敗ゼロ」の4日間を過ごすことができたのです。
おおおお!老人介護は年をとるごとに大変になる…というのが相場なのに,おじいちゃんはだんだん楽になってきてる…!?
すごい…!
と思っていたら,「家族の方が頻繁に面会に来て下さると,落ちつく方が多いんですよ」という話も聞きました。
確かに,真希が生まれたばかりの頃は,「週1」で行くのも大変でしたが,最近は「週3」を目標に通っています。時間は短いけど,何より曾孫の顔を見るのが嬉しそう。日頃の介護を全部お願いしているのだから,面会くらいは私の仕事。今年も週3で頑張るぞ!と,心に誓った年頭でありました。
…私は「孫嫁」だから,おじいちゃんを施設に預けていても,「面会に行く」という家族として最低限のことをしているだけで,周りの人が褒めてくれる。でも世の中には,当たり前以上のことをしていても,全然褒められないばかりか,悪人よばわりされてる人もたくさんいることを知っています。申し訳なく思います。私が悪者にならないのは,おじいちゃんが「家に帰れない事情」を理解して受け入れてくれているからで,私の行いのせいではありません。
そういう私が言うのもなんですが,介護で疲れている皆さん,あるいは近い将来介護をされるかもしれない皆さん,どうぞ自分を追い詰めないで,できることから頑張って(頑張りすぎないで)下さい。子育てと違い,だんだん成長して手がかからなくなるということがありません。気長に付き合うためには,無理をしないことです。介護している相手から酷いことを言われたとしても,それはそのまま受け取らず,老いていくことへのどうしようもない切なさや怒りの裏返しだと理解しましょう。オムツをしていてもボケていてもプライドがある。それを尊重しましょう。介護される側でなく,介護する身であることを感謝しつつ,誰も褒めてくれなかったら自分で自分を褒めましょう。利用できる施設や制度は上手に利用しましょう。スタッフの方とはできるだけ仲良くなりましょう。そして大変だと思ったら早めにアラームをあげましょう。
以上,私流「疲れない介護を続けるコツ」でした。^_^; 新年の幕開けの話題としてはどうかと思いましたが,普段はしない話だからこそ,年頭に…という思いもあったし,おじいちゃんが倒れて早8年,そろそろ私が語っても許されるかな,とも思ったので。
思いわずらうことなく,明るく過ごせる1年でありますように,心から祈ります。また,何より皆様の健康をお祈りして,新春のご挨拶とさせていただきます。(._.)
…で,次号は遊びまくり報告だ,じょーん。(^_^)
2003. 1. 11 斎藤 範子(Hanko)
☆感想のお便り、お待ちしてます。 hanko.saito@nifty.ne.jp
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