『 週刊 Hanko 』 508号

夫婦喧嘩 と 家出の話


 先日,子供会の行事で映画を見に行きました。「子供に付き合ってポケモンかー…」としかたなく見たのに,なぜかラストでは涙が…。まさかポケモンに泣かされるとは思いませんでした。「七夜の願い星ジラーチ」です。躊躇されてるお母様方,ぜひどうぞ。(^^)

◆失敗した家出◆
 今回は夫婦喧嘩と家出の話。

 わが家は旦那が優しくて仲良し夫婦と見られることが多いみたいですが,実はそうでもありません。私がぶつぶつ文句を言っていても,旦那が相手にしないから(してくれないから)なんとなく何もなさそうに見えているだけでしょう。
 でも,相手に苦情を申し立ててもずっと無視されると,頭に来て家を出たくなることが,時にはあります。今までは誰かしら乳飲み子がいて,どんなに悔しくても家にいるしかなかったけど,最近は「もう真希も大きくなったし,どこにだって行ってやる!」と思えるようになり,先日ついに家出を決行しました!!

 本当は,この際ディズニーランドまで行っちゃおうと思ったのです。そしてホテルに泊まろうと。小雨も降ってたし,きっとそれほど混んでないだろうから,一人で3人連れ歩くにはいい天候なんじゃないかと,4人分の雨ガッパまで用意しました。
 ところが(当然だけど),ディズニーランド付近のホテルはどこも満室。その場で調べられる限りのホテルを当たり,最後にはさいたま市役所の観光課まで電話をかけて,大宮駅付近のホテルまで当たったけど(やるとなったらやるのです),結局予約できないまま家を出ることになってしまいました(第1次ショック)。

 それでも「ディズニーランドに行かない?」と子供たちに言ったら,きっと喜ぶだろうと思っていたのに…。なんと子供たちときたら「初めてのディズニーランドはY子先生と行く約束をしたからダメ」。そんな遠くまでは気軽に行けない…と。…あー裏切られた…(第2次ショック)。

 それじゃー…と,通りかかったローソンで,「ジブリの森美術館」をチェックしたけど,案の定「完売」…。ほかのイベント情報も見たけど興味そそられる物がなく,都会方面は断念しました。(第3次ショック)
 友達の家にころがりこむ…という手もあるけど,横浜方面は遠いし,働いている人や子育て中の人も多く,そうでなくても子供3人連れて行くのは迷惑至極…。
 それで,子供たちにどこに行きたいかと聞いたら「前橋の児童公園に行きたい」(乗り物が全部50円で乗れる)。あー,ささやかなのねー…。もうそこでいいや,と1500円でめいっぱい遊ばせて,それでもまだ1時でした。

 4人でお昼を食べに行き(パパ抜き4人の外食は初めて。一人で3人の面倒は見切れないと思っていたけど,もう全然楽勝だった),まだまだ時間はたっぷり。お泊まりの用意もしてきたし,戸隠の行きつけペンションに「家出してきた〜」と泣きつきに行こうかな…と思ったけど,「戸隠に行こう」と言ったら「パパがいる時にしよう」と子供たち。「パパをおいてお泊まりしたらかわいそうでしょ」(第4次ショック)

 実家に帰っても車で10分じゃ,「早く帰れ」と言われるのがオチ。もうほかに行く所も思い浮かばず,これであっけなく私の家出は中止。私には,気晴らしさえ許されない!と思うと本当に泣けました。(;_;)

 こうなったらヤケ食いしかないと思い,スーパーに買い物に行くと,そこで友達にばったり。久し振りで立ち話をする間に「この間,誕生日にパパと喧嘩した(覚えててくれなくて)」と聞いて,「実は私は喧嘩もできずにヤケ食いするところなの」と,しばらく旦那の悪口を言い合ったのが,今日初めての慰めでした。

 家に帰ると,私が愚痴メールを出した福岡の知人から留守電。嬉しくて電話をすると,そばにいた奥さんと一緒に「うちなんか夫婦喧嘩はしょっちゅう」と励ましてくれました。
 でも,男と女の違いを著しく感じたのは,奥さんが「一度は家を出ちゃいなさい」と言ってくれたのに対して,ご主人の方が「旦那の好きな物でも買ってきて仲直りのきっかけを作れ。相手が仲直りする気がないのなら,こっちがなんとかしなきゃ修復できないだろう」って。それは,自分が悪いと思っていてもうまく言いだせない男はたくさんいる,という意味かもしれないけど,きっとそうやってきっかけを作ってくれる女性が彼の(男性の)理想なんでしょうねー…。でも私はそんなに優しくはなれない。無視されてる相手に私の方から握手を求めても,私の中の問題が解決するのかどうか。時間がたてば優しくなれるのか,なれたとしても,相手を許すわけじゃなくて「我慢」するだけなんじゃないか…。それってやっぱりいつか爆発するんじゃないか…。

 そうそう,女は昔のことまでよく覚えていていやだっていう人がいますけど,あれは女の人が悪いんじゃなくて,一つ一つを解決しないで一方的に女に我慢させてきた男の方に責任があるんです。絶対そうです。本当に解決したことはいつか「良い思い出」に分類されますが,未解決事項は芋づる式で悪い方の記憶に押し込まれます。最近私が爆発しやすいのは,そういう「未解決事項」が飽和状態に近いのかも。(今思ったけど,最近キレやすい子供っていうのは,オトナとの間に「未解決事項」がいっぱいあるんじゃないかなー,きっと。ちゃんと話し合ってお互い納得するっていうのは,やっぱり大事なことですよね)

 今回,家出に失敗して実感しましたが,特に子供のいる主婦は,ストレスをうまく発散できずに我慢を強いられることが多いと思います。ぐっとこらえて我慢して,それでご主人の定年と同時に「私を楽にして下さい」と離婚届けをつきつける…。男の方は,晴天の霹靂!と思うケースが多いようですが,それは奥さんの気持ちに対して無関心でいたことへのツケです。うちは大丈夫…と思っている人ほど要注意!です。

 それはともかく,うちの旦那は「喧嘩」ができなくて話し合いにならないので(私は,相手に無視されるからオーバーヒートするのに,旦那は「怒ってる時に話し合うとオーバーヒートするから無視する」って言うの。…悪循環だよねー。喧嘩のしかたを知らないだけって気がするんだけど…)結局,何度かメール交換してなんとか仲直りしました。

 夫婦の危機は何度もあるって言うけど,皆さんどうやって乗り越えていらっしゃるのでしょう。ぜひ教えて下さい。

 余談ですが,パパは先日「飼い蜂」に右目の瞼をさされて顔の右半分がお岩さん状態です。右から見ると「キャーッ」て感じですが,これは妻をほったらかして蜂と遊びすぎた罰ですよね。(^^)

2003. 8. 23  斎藤 範子(Hanko)



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