『 週刊 Hanko 』 558号

◆次女の言い分◆永遠に妹…◆


 今日パパは出張で東京、しかも、奇しくもこの間行きそびれたお台場の「日本科学未来館」だって…!ちょっと寒いけどお天気もいいし、うらやましいなぁ!

◆次女の言い分◆
 私が長女で春歌が次女だから、なのか、私が7歳の少女の心を忘れてしまったからなのか…意表をつく春歌の言動に言葉を失うことの多い今日この頃…。
 今、一年生の国語は「わたしのたからもの」というところをやっていて、自分の宝物を友達に紹介してその理由を説明する…ということをやっています。学校からのお便りにも、「学校に持ってこられるようなものを…」と書いてあったので、春歌に「何を紹介するの?」と聞いてみると…。
春歌「ん?イヤリングだよ!」
私 「え…、春ちゃん、イヤリングなんて持ってたの!?」
春歌「うん!ダイヤモンドの!」
私 「え゛…」
春歌「ほら、ママの鏡台の引き出しに入ってるやつ!」
私 「ええ゛っ…、ま、まさか…」
春歌「あれ、春ちゃんにくれるって言ったでしょ、春ちゃん4月生まれで、誕生石ダイヤモンドだから。」
 それは、私が婚約式の時、旦那から初めてもらったイヤリング…。
私 「…もう春ちゃんのなの??大人になったら、って約束じゃなかった??」
春歌「そーだっけ、でも春ちゃんのでしょ??」
私 「まさかあれ、学校に持って行くつもり??」
春歌「ダメ??」

 呆れるというか、オソロシイというか、女の子は油断ならぬと思いつつ、言葉に詰まっている間に春歌はどこかに消え…。
 翌日の朝、宿題で持っていくはずの「たからもの紹介」の紙を覗くと、「海で拾った貝殻」が描かれていました(…イヤリングの絵を消した跡もなまなましく…)。まぁ、春ちゃん、思い直してくれたのね…。
 そしてさらに翌日。

春歌「ママ、宝物持って行くから袋ちょうだい!」
私 「あ、貝殻持って行くのね?」
春歌「違うよ、貯金箱!」
私 「え…??何?」
春歌「夏休みにアイロンビーズで作った貯金箱、持って行くんだ〜!」
私 「…貝殻は??」
春歌「だって〜。春ちゃん宝物いっぱいあるんだもん!」
 春歌は貯金箱をビニールのプチプチの包材にくるんで大事そうに持って行きました。
 …イヤリングを貝殻に変えたのも、ママのせいなんかじゃなく、ただ単に気が変わっただけだったのね…。

 それにしても、「大きくなったら私のモノ」と約束されている物は、「すでに私のモノ」という解釈が、堂々とできるということがうらやましい。私や夏希のような「長女」には、畏れ多くてできませんもの…。「いずれあげる」という話は、本当にあげる時まで春歌に言ってはいけないと、母は学んだのでした。

◆永遠に妹…◆
 真希とお風呂に入り、髪を洗ってやっているときのこと。
真希「真希ちゃんもさー、お姉さんになったら一人で髪の毛洗えるようになるかなぁ…」
私 「なるよ〜。もう4歳だもん、そろそろだね。」
真希「そっか〜…。でも真希ちゃん、今はまだ妹なんでしょ??」
私 「……」
…そうです、あなたは永遠に妹です。でも妹が「姉」にはなれなくても、「お姉さん」になる日は来るということを…今は黙っておきましょう、自分で気付くまで。
 あなたで最後だから、もう少し髪、洗わせてね。

2005. 2. 4  斎藤 範子(Hanko)



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