『 週刊 Hanko 』 672号

◆解剖実習◆図書館◆

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 職場の教頭先生は、校内のあちこちに咲いている花を切ってきて、いつも洗面所の花瓶にさしてくれます。最近、とてもかわいい花のついた枝をさしているのを見て、どこに咲いているのかと聞いたら、中庭の目立たないところにあるんだと教えてくれました。「隅田の花火」という花、ご存知ですか?まさしく夜空の花火のような花です!花のかわいさにも、ネーミングの妙にも感動しました。
今度、さし木に挑戦してみよう!
 
◆解剖実習◆
 今年、中2の理科2を分担して教えている先生に、授業でニワトリの解剖をしないか(内臓のつくりを観察するために)と言われました。え、中2でニワトリ…!?
 ちょっとひいた理由は、中2では早すぎるのでは…という思いと同時に(いや、それ以上に)、実はニワトリを一度も解剖したことがないという私自身の指導力の問題で…。
 悩んでいると、高2理系クラスでニワトリの解剖実習をするというので、早速一緒に実習させてもらうことにしました。

 高2は2年前に教えた学年で、たまたま生物部で何度もニワトリ解剖の経験のあるOさんがいたので、彼女にはりついてじっくり観察することに。
 実は自分では、「ニワトリの解剖について、かなり消極的である」と思いこんでいましたが、何人もの生徒から「先生、すっごく嬉しそうな顔してる」と指摘されて、改めて頬のゆるんでいる自分に気がつきました。これは意外。(@_@)

 羽がむしられ、血が抜かれた状態で目の前に現れたニワトリを仰向けにして、真新しいカッターですーっとおなかの皮を切り…。
 さすが手慣れたOさん、鮮やかな解剖振り。またたくまに、「胸肉」2枚と「ささみ」2枚を、売り物のように解剖皿に並べました。う、美しい!(ささみが、1羽からたくさんとれると思っていた子が、2つしかとれないことにびっくり。それ以前に「ささみって何?」という子もたくさん…)
 肋骨の下の方にはさみを入れて、持ち上げて、のど元でバキッと折ると内臓が登場。心臓も胃も腸もレバーも、…いや違った、肝臓だ、それに緑の胆嚢も赤い脾臓も、見事傷つけずに全部取り出しました。感心してふと隣の班を見ると、…無惨にもずたずたにされた胸肉、いや大胸筋、ボロボロの肋骨。うーむ、Oさんはやはりプロだった。
 あまりにも他の班が無惨なので、今見たばかりのワザを伝授して歩きました。いや、有意義な授業だった!

 翌週は、高2文系のクラスの解剖にも参加。みな、キャーキャー言いながらも「意外と好きかも…」と目覚める子も現れ、「腸の長さは体長の約4倍」という事実も確認でき、1時間の解剖はあっと言う間に終わりました。

 印象的だったのは、成績優秀な女子生徒の発言。ニワトリをしげしげと眺め、「先生、1羽のニワトリから、手羽って2つしかとれないんだね。昨日、うちで手羽の唐揚げ6個食べたけど、一気に3羽食べちゃったってこと??」と、びっくりしていました。
 確かに、手羽は1羽に2つ。当たり前のことだけど、食べる時は無意識で、「成績優秀」でも、実際見るまで気がつかないんだ…、と実感。手羽も、モモ肉も1羽で2つ。じゃあ、ケンタッキーで1日に殺されるニワトリの数は?と考えて、気が遠くなった子もいたようです。内臓のつくりはともかく、それだけでもよい勉強になったのかもしれません。

 とりあえず、解剖の方法はわかったし、やれと言われれば授業もできなくはないと思うけど…。でもやっぱり中2って、どうなのかなぁ(キャーキャー騒いで終わり、もイヤだし、鶏肉食べられなくなったりするのもなぁ…)。1羽2000円という教材費を考えると、1時間じゃもったいない。2時間続きの枠がもらえるならやってもいいかも。でも、もしもやるなら、犠牲になるニワトリたちのためにも、有意義な授業にしなければ…と、内臓丸出しのニワトリたちを片付けながら考えました。どうもありがとう。頑張るね。

◆図書館◆
 今年は授業数も少なく、ちょっと楽…になる予定でしたが、ユネスコの合唱団の運営委員になったり、中学の地区委員で合唱祭の担当(責任者?)になって準備があったり、いずれも初めてのことで、あれこれ試行錯誤しながら会議に出たり人集めや曲探し、楽器探しに奔走したり、連絡を取り合ったり…と、けっこう多忙な毎日を過ごしています。
 それが先日、ふっと、授業もなく、会議もなく、これと言って今日やるべき仕事もなく…という夢のような日が1日だけ訪れて、午前中からそそくさと図書館に出掛けました。
 本を読んで、授業の準備をして、ちょっと勉強もして、平日の昼間で人も少ないし、静かだし、あぁ、なんて幸せ!やっぱり、図書館て落ち着くわよねぇ〜…と、久々にくつろいで、穏やかな気持ちで帰りました。(顔なじみの司書さんが、「お昼は!?」と心配してくれましたが、ちゃんとおにぎり持参してました。(^.^)うふ)

 ちなみに、図書館ならどこでもいいわけではありません(やはり相性が…)。 旅先でも、図書館があるとふらっ…と入ってみる方ですが、私が今までに訪れた図書館のベスト3は、草津の町立図書館群馬大学の図書館甘楽町の図書館「ら・ら・かんら」(現在愛用)です。
 大きすぎてもだめ、小さすぎてもだめ、開放感があり、なおかつプライベート空間がほどほどに確保され、ちょっとうとうとできたりもして…、そういえば、大学の図書館は窓際の席がお気に入りでした。懐かしいなぁ(o^^o)
 思えば、3歳の頃から、母がお出かけの時は「図書館でお留守番」していたらしい…。やはり図書館好きのルーツはそこなんでしょうか。本に囲まれていると、妙に安心するんです。(o^^o)
 そういう場所、ありませんか? (^.^)

2008. 6. 23  斎藤 範子(Hanko)



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