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 ◇「なんて素敵にジャパネスク2」 氷室冴子 (コバルト文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 あの鷹男の帝からの、三日にあけぬ宮中へのお招き――でも、高彬という立派な(!?)許婚のあるあたし(瑠璃姫)だもの、”持病の瘧”にかこつけて断っていたわよ。だけど、とうとう、帝の攻勢に耐え切れなくなったあたしは最後の切り札と尼寺へ駆け込んでやったの。

 

 ところがその夜、三条邸が何者かの放火によって焼け落ちてしまった――そして事件の陰には妖しくも美しい鬼の姿が……

+-+- 感想 -+-+

 恋愛物語なのだけど、今回はぐっとミステリ色の強い作品になった。

 意外な人物が関わり始め、前回よりもシリアス度がぐっとアップして、同時に読後感はすごく切なくて、自分の14歳の時の思い出を思い出していた。

 

 誰にでも心の特別な「存在」というものがいると思う。それがそれぞれ不一致を起こすからこそ、誤解したり、傷つけあったり、そして、傷ついたりするのだろう。

 誰もがただ心の中にある大切な「存在」を守ろうとしているだけなのに、人は個人だからこそ、傷つけ、傷つき、傷つけられるのかもしれない。

 笑えるんだけど、かなり切ない。

 誰にでもいる心の中の「特別な存在」を思い出すような気がする。

 

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