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 ◇「王子二人」 田中芳樹 (角川文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 パルスの王都エクバターナは今、侵略者たるルシタニア国の大軍に支配され、血と支配と汚物に覆われ、昼夜を問わず、百鬼の横行する魔境と化しつつある。アルスラーン王子一行、六騎の旅人は三方に分かれ、パルスで最大の兵力がある、東方国境ペシャワール城塞に向かった。

 

 敵の執拗な追跡をかわし、山中の逃避行の末、目的の地に辿り着いた一行を待っていたものは…?

 権力の栄華の陰でうごめく意外な敵対者たち。怒り、憎悪、欲望、復讐が渦巻く。

+-+- 感想 -+-+

 銀仮面の騎士が大活躍である。

 そして珍しくナルサスが困惑するのを見れて、楽しい。

 ただし、徐々に高まる疑惑が読者の胸に不安として押し潰そうとするかもしれない。

 そしてそれはアルスラーンに付き従っている人物たちにもその疑惑は波紋となって影響する。

 

 ザッハーク信者もアルスラーンたちにちょっかいを出し始め、彼らの敵はルシタニア軍だけではなく、魑魅魍魎も名乗りだしたらしい。

 ある事実に動揺する万騎長。疑惑を持つ万騎長。

 ルシタニア軍の内部も磐石じゃなく、様々な側面で、人間の感情が顔を覗かせる。

 

 そんな時、やはり登場人物たちの明るさが暗くなりがちのストーリーを救うのだ。

 

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