温かいなぁと思う。
純粋に。ただしその温かさは強くて、そしてその強さは時としてすごく残酷なような気がする。だから温かくても安心するにはちょっと勇気が必要とする。
「ターン」にそんなイメージを持った。
「時」という概念をどう人は捉えればいいのだろう。
難しいけど、普通に考えれば、それは最初から答えは定まっていたような気がする。
主人公の真希がその答えをどのようにして、見つけ出したのかその過程を丹念に、ゆっくりと描いた北村薫の筆力に唸らされた。
読了後は温かな気持ちになった。
この作家の素晴らしいところは「温かい」と感じられることかもしれない。
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