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 ◇「顔に降りかかる雨」 桐野夏生 (講談社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、一億円を持って消えた。

 大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部に繋がる暗い過去を持っている。

 あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は成瀬と協力して、解明に乗り出す。

 二転三転する事件の真相は?

+-+- 感想 -+-+

 ハードボイルド。

 かなり主人公の女性は感情を読者に示していない。

 淡々と、自分自身で見据えながら、歩いていると言う感じだ。

 

 過去をそれぞれ見つめながら、そして人の汚い部分に目を背けず、生きている。

 そんな感じがする。

 緊張感のあるストーリーテリング。

 そして、すっきりしないまま進む物語にいつのまにかにページが最後の方になっていた。

 

 いつのまにこんなに読んでしまったのだろう?

 そう思えるほどに、この物語の求心力は強い。

 

 不可解な事件と不可解なキャラクター。

 そしてあまり明るくないストーリー。

 そんな物語が底知れない恐怖を時折、見せている。

 

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