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 ◇「流しのしたの骨」 江國香織 (新潮文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 今はなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が爽やかで一番平らかな“小さな弟”律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじ家族想いの父、の六人家族。

 

 ちょっと変だけれど、幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。

+-+- 感想 -+-+

 不思議な感じのする小説。

 というか、江國さんの小説はなんだかふわふわしている。

 なんだか、ほわわ〜〜んとしていて、芯はしっかりしているんだけど、その芯はたくみに曖昧な空気で包み込んでいる。

 

 けど、本当に、不思議な家族だなと思う。やっている事は奇抜なはずなのに、それが「当然」のように読者に受け入れられてしまう。いつのまにかに読者が「こと子」ちゃんになって、その家族の中でいろいろ時を過ごしている。その中はすごく居心地がいい。温泉でゆっくり浸かっているようなそんな感じ。

 

 こんなゆったりとした幸せもいいなと思ってしまう。他の家族を見るのは楽しい。そしてその家族の中に溶け込むのも楽しかった。

 

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