不思議な感じのする小説。
というか、江國さんの小説はなんだかふわふわしている。
なんだか、ほわわ〜〜んとしていて、芯はしっかりしているんだけど、その芯はたくみに曖昧な空気で包み込んでいる。
けど、本当に、不思議な家族だなと思う。やっている事は奇抜なはずなのに、それが「当然」のように読者に受け入れられてしまう。いつのまにかに読者が「こと子」ちゃんになって、その家族の中でいろいろ時を過ごしている。その中はすごく居心地がいい。温泉でゆっくり浸かっているようなそんな感じ。
こんなゆったりとした幸せもいいなと思ってしまう。他の家族を見るのは楽しい。そしてその家族の中に溶け込むのも楽しかった。
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