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 ◇「ぐうたら人間学」 遠藤周作 (講談社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 ぐうたら人生の味を開陳する狐狸庵山人の珍妙なる人間学。

 秀吉の夫婦喧嘩を仲裁する信長に英雄偉人の尻尾を覗き、酒癖のあれこれに人情風俗の妙を知る。権威や独善には背を向け、劣等生的人間に豊かさを見、親愛感を覚える。

 

 愛すべきはマヌケ人間、語るべきは気弱人間。人生の味をいかんなく示すエッセイ。

+-+- 感想 -+-+

 読後感は妙な疲労感を覚えた。

 やはり彼の作風は真面目な小説ではない、こういう「ぐうたら」シリーズはとても疲れる。それは人それぞれだから、何ともいえないけど、彼の独特の感性はなかなかのユーモラスさを示し、楽しめる事は楽しめる。

 

 ただ、疲れるのだ。

 

 きっとかなりの部分で、食い違うだろうなとは感じるけど、それでも結構、いろいろな部分で意見が合うのも面白い。

 けれど、彼の不真面目に見せている部分で、僕はとにかく疲労を覚えた。なぜかはわからない。それが時代格差だとしても僕は驚かない。

 

 とにかくユーモラスなエッセイなのは確かであり、多くのところで笑えた。そしてちょっとなけた。だけど、ぐったりと読後は疲れたというのが僕の感想。

 

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