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 ◇「ななつのこ」 加納朋子 (創元推理文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 表紙に惹かれて手にした「ななつのこ」にぞっこんに惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。わが町のトピック「スイカジュース事件」をそこはかとなく綴ったところ、意外にも作家本人からの返事が。しかも、例の事件に客観的な光を当て、ものの見事に実像を浮かび上がらせる内容だった――。こうしてはじまった手紙の往復が、駒子の賑わしい毎日に新たな彩りを添えていく。

+-+- 感想 -+-+

 優しいなと思う。

 素直に。その世界観がすごく僕の中を温めてくれる。

 登場人物の駒子ちゃんも優しいし、物語の中の物語の登場人物、はやてくんとあやめさんが駒子ちゃんのフィルターを通じて、すごく生き生きとしている。

 

 連作短編だから、その中で僕のお気に入りは「一枚の写真」「白いタンポポ」「一万二千年後のヴェガ」の三つ。どれも捨てがたいんだけどねー。特に白いタンポポはなんだかすごく切なくなった。

 

 表紙も印象的だった。この駒子ちゃんと、はやてくんが夜空と月が映し出されている湖の上にとても小さなかけられた橋に腰掛け、だけど空は黄金色の夕焼け。

 不思議だけど、すごく温かな気持ちになった表紙でもあった。

 

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