優しいなと思う。
素直に。その世界観がすごく僕の中を温めてくれる。
登場人物の駒子ちゃんも優しいし、物語の中の物語の登場人物、はやてくんとあやめさんが駒子ちゃんのフィルターを通じて、すごく生き生きとしている。
連作短編だから、その中で僕のお気に入りは「一枚の写真」「白いタンポポ」「一万二千年後のヴェガ」の三つ。どれも捨てがたいんだけどねー。特に白いタンポポはなんだかすごく切なくなった。
表紙も印象的だった。この駒子ちゃんと、はやてくんが夜空と月が映し出されている湖の上にとても小さなかけられた橋に腰掛け、だけど空は黄金色の夕焼け。
不思議だけど、すごく温かな気持ちになった表紙でもあった。
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