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 ◇ 須賀しのぶ 「帝国の娘(後編)」 (コバルト文庫) ◇

+-+- あらすじ -+-+

 重い病に臥せっている皇子アルゼウスの影武者にさせられたカリエ。

 彼女は帝国の皇位継承者としての教育を受けるべく、カデーレ宮殿に入る事になった。

 

 彼女を待っていたのは選帝のライバルとなる、ドミトリアス、イレシオン、ミューカレウスの三人の皇子。

 特に歳の近いミューカレウスの言動は挑発的で、何かにつけてカリエにからみ、ついには決闘をする羽目になってしまうのだが…。

+-+- 感想 -+-+

 宮殿の中での皇子たちの生活。

 互いに同じものを目指すライバルであり、そして同居人でもあるという複雑な環境で、カリエは成長していくし、そのよきライバルでもあるミュカも成長していく。

 その光景を二人の兄は厳しくも優しく見つめている。

 すごく微笑ましい生活だと思う。

 

 しかし、その裏では着々と、彼らを巻き込んで、権力という名の争いが生じている。正直な話、後半はめちゃめちゃ、切なかった。

 多くの謎を振りまき、そして多くの哀しみを残し、そして新しい環境になる。

 終わりとはそういうものかもしれないけど、もう少しだけ彼らの生活を見てみたかったなぁ。

 

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