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 ◇「陰陽師 付喪神ノ巻」 夢枕獏 (文春文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 丑の刻、貴船神社に夜毎現れる白装束の女が鬼となって、自分を捨てた男を取り殺そうとする。

 そんな男の窮地を救うため、安倍晴明と源博雅が目にしたものは!?

 女の悲しい性を描いた「鉄輪」他、全七篇。

 百鬼夜行の平安時代。魍魎たちに立ち向かう若き晴明と博雅の胸のすく活躍、魅惑の伝奇ロマンシリーズ、第三弾!!

+-+- 感想 -+-+

 かっこいい。

 いつもこのシリーズを読むと、晴明と博雅のその良い「漢」に、溜め息をついてしまう。

 生命のちょっとシニカルな態度、そして博雅のその純朴だけど、真摯な態度に普通のシーンでも何かすごく惹き付けるものがある。

 

 人の生き様をたくさん、晴明たちは見ているからかもしれない。

 哀しみも喜びも、すべてを了解したような、そんな晴明の姿。

 どんなものにでも真摯に立ち向かう博雅の姿。

 平安の世も捨てたものじゃないと思ってしまう。

 

 そして、今の時代も彼らのような姿勢が求められているのだろう。

 それは時代を超えた正しい姿の形だからなのかもしれない。

 

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