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 ◇「誇り」 木村元彦 (集英社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 フィールドの妖精「PIXY」こと、ドラガン・ストイコビッチ。

 人々を魅了する華麗なプレー。

 だが、その半生から浮かび上がるのは、政治に翻弄された祖国ユーゴスラビアへの熱き想いと誇りだった。

 来日当初「乱暴者」のレッテルを貼られた、彼の真の姿がここにある。過酷な運命を乗り越え、世界を舞台に光り輝く、憂国のフットボーラーの奇跡を綴るヒューマン・ノンフィクション。

+-+- 感想 -+-+

 これははっきり言うけど、ピクシー、つまり、名古屋グランパスエイトに所属するドラガン・ストイコビッチのファン、もしくは彼を知っているサッカーファンではないと、百パーセントは楽しめないと思う。ただ、僕は彼のファンだし、サッカーが好きだから十分に楽しめた。

 

 ユーゴスラビアはご存知の通り、民族紛争を現在でもしている国家であり、NATOにより、空爆を受けた。しかし、セルビア人、そしてクロアチア人たちの生の声。そして惨状など、知らないことが多い。知っているつもりの人も多い。この本を読めば、ある程度の偏見はなくなるだろう。そして、戦争の残虐さもわかるだろう。

 

 ピクシーの半生は非常に起伏の激しいものである。そして民族紛争があっても、彼が他民族の選手から、ずっと慕われつづけたそのカリスマ性、人間性に非常に僕自身も惹かれ、そして一層ファンになった。是非、名古屋グランパスファン、そしてサッカーファン、もちろん、ピクシーのファンには読んで欲しい一冊である。きっと、一層、彼を好きになるだろう。

 

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