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◇「名探偵の掟」 東野圭吾 (講談社) ◇
+-+- あらすじ -+-+
「ミステリの登場人物って大変だよ」
私こと大河原番三は警視庁の警部である。
しかし、だ。私は決して事件を解決してはいけない。なんと言っても、私は読者をミスリードするための、愚かな刑事を演じなくてはいけないのだ。
このシリーズの主人公天下一大五郎探偵が事件を解決するまで、私は決して犯人が誰であるか気づいても、決して犯人を逮捕してはいけないのだ。
ワトソン役も辛いのだよ。
+-+- 感想 -+-+
ミステリかと思って読んだら、ミステリはミステリだけど、笑ってしまうミステリだった。
ミステリの登場人物たちの苦労がよくわかる小説である。
「密室宣言」をするときの、探偵役の気持ち。
ご都合主義のミステリの空しさ。
テレビ化されたときの登場人物たちの苦労。
そしてワトソン役の刑事の気苦労。
なかなか大変なんだなぁと同情してしまう(笑)
それにしても、こういう小説もあるのかと思ってしまった。
これほど、楽しい気持ちでミステリを読んだのも久しぶりである。
ミステリ小説を分解した作品。
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