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 ◇「そしてまた 波音」 銀色夏生 (角川文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 シャボン玉、そして波音。

 銀色夏生の感性にかかると、その当たり前の風景が優しく彩られ、透き通った世界へと変貌する。

 銀色夏生自身が撮った写真を背景に、人の一瞬の心の閃きを美しく切り取ったフォト詩集。

+-+- 感想 -+-+

 どうして、彼女の詩は独特の世界観を所有したまま、人の心の隙間に入り込むのだろう。

 誰にでもたぶん癒されるシチュエーションってあると思う。

 僕なら夜の雨音。

 しとしとと降り続く雨音を聞いていると、日々の生活や友人など、何もかも遠くに感じ、忙しい日々疲れた心が瑞々しさを取り戻している事を実感できる。

 

 彼女の詩は多くの人にとって、この僕の「雨音」と同じ効果をもたらすのだ。

 もちろん、僕にとっても彼女の詩は「雨音」と同様の効果をもつ。

 言葉で、人の心をちょっとでも軽くすることの出来る素晴らしい本だと思う。

 

 言葉を飾らず、たださりげなく、当たり前に。

 疲れたとき、手元に置いておきたい一冊である。

 

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