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 ◇「片想い」 東野圭吾 (文藝春秋社)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 帝都大アメフト部のOB西脇哲郎は、十年ぶりにかつての女子マネージャー日浦美月に再会し、ある「秘密」を告白される。あの頃の未来にいるはずの自分たちは、変わってしまったのだろうか?

 過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描く傑作ミステリ。

+-+- 感想 -+-+

 ぐっと最初から話に引き込まれた。

 唐突の告白。

 主人公は大いに驚き、性の問題そしてある「事件」に直面する。

 セックスとジェンダーの不一致…

 つまり、「性同一性障害」を真正面から取り組んだ意欲作。

 

 青春の思い出と現実のギャップ。

 過去の記憶、そして友情と葛藤しながら、「今」を見つめようとする登場人物たち。

 失われそうになっているものを必死で守ろうとする姿に感動する。

 過去を見つめ、そして「今」を見つめ、彼らの失いそして得た未来への結論は?

 必死で失われそうになるモノを守るために、真実を追究し、いつしか彼らは本当に守るべきものを知ったとき、致命的に失ってしまうものを知る。ミステリの重複をうまく描いていると感じた。

 

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