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◇「こんなに緑の森の中」 谷山由紀 (朝日ソノラマ文庫) ◇
+-+- あらすじ -+-+
高校を中退して、大学入学資格検定を目指す大内純一は、海外出張で半年間アパートを離れるいとこの部屋で猫の世話をしながら、受験勉強することになった。ところがアパートで純一を待っていたのは猫の虎造ではなく、茶色の髪をした奇妙な少年・ボビーだった。
自分を「猫」だと言い張る、この少年の正体は―――?
不思議なアパートを舞台に贈る、著者会心のヒーリング・ファンタジー。
+-+- 感想 -+-+
すごく柔らかい文体だった。
一人称で、非常に繊細な内面世界を描いている。
夢を見つづける人間、夢を忘れたつもりになっている人間。
どうしていいかわからない人間、絶望を抱えた人間…
様々な問題を抱えた人間たちが歪んだアパートに集った。
そこで引き起こされた「ミラクル」は?
全体的に優しい感じの世界観。
相手のためを思い、自分を見失う。
優しいからこそ、壊れてしまった人たちは哀しみをこのアパートで癒していく。
再生への現代ファンタジー。
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