△booklist top

 

 ◇「D-邪王星団4」 菊地秀行 (朝日ソノラマ文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 初めて本格的に刃を交えたとき、ヴァルキュアはDを異空間に送り込み、その力を見極めようとした。五千年前、宇宙に放逐されたこの「絶対貴族」の想いは、今や己の操り人形と化したマシューとスー、そして致命傷を負わせた二人の貴族への復讐よりも、Dと、Dをこの世に送り出したものの方へ向けられているようであった。

 

 「神祖」の痕跡が刻み込まれた黒き鋼の大地で、最後の壮絶にして奇怪な戦いが始まった。

+-+- 感想 -+-+

 Dシリーズで、Dに焦点を当てたものに、「双影の騎士」があるけど、これはDの謎にいっそう焦点を当てている。以前から「お前だけが成功例」という文章がキーワードになっているけど、今回、ほんのちょっとだけそれが明らかになっている。そして、あとがきにも気になる菊地秀行の言葉が…。

 

 このシリーズの特徴はヴァンパイアに対しての菊地秀行の深い愛情と、そして鋭い分析が光っているように思える。なぜ、これほどまでにヴァンパイアとは物悲しい存在なのだろう?「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」も物悲しいトーンの映画だったし。

 

 ヴァルキュアの知られざる心うちが4巻目、つまり完結編にてはじめて明らかにされ、神祖とD、そしてヴァルキュアが一本の線でつながる…

 

△Topに戻る△