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 ◇「死のロングウォーク」 スティーヴン・キング (扶桑社ミステリー) 

+-+- あらすじ -+-+

 近未来のアメリカ。

 そこでは選抜された十四歳から十六歳までの少年百人を集めて、<ロングウォーク>という競技が行われていた。それは、コース上をただひたすら南に歩くだけという単純なものだったが、このレースにゴールはない。歩行速度が落ち、三回以上の警告を受けたものは次々に射殺され、最後に生き残った一人が決まるまで続く文字通りの「死のレース」なのだ。

 

 昼も夜もなく、冗談を交わし、励ましあって歩きつづける少年たちの極限状況を鬼才キングが生々しく描く。

+-+- 感想 -+-+

 バトルロワイヤルを想起する残酷なゲーム。

 意味のないゲーム。

 残酷なゲーム。

 

 少年たちはただ歩いた。

 友と語らい、過去を見つめ、生きる意味を考えた。

 極限状況の中で死を見つめた彼ら。

 止まると、死ぬ。

 その簡単なルールにのっとり、彼らは友と歩き、時には憤り、時には涙し、時には泣いた。

 友情が生まれ、誤解が生まれ、彼らが究極的に死の直前に行き着いた結論は…?

 

 死を見つめながら、揺れ動く少年たちの心を緻密に描いたキングの筆力と、その構成が光る。 ただ、歩くことから生じる心の揺れ動き、観衆の狂気、など、その他見るべきところも多い。 「生きる」ってことの強さ、「生きる」って事の不可解さが非常に生々しく実感できると思う。

 

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