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 ◇「野望円舞曲2」 荻野目悠樹&田中芳樹 (徳間デュアル文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 ボスポラスの侵攻を退け、平和を取り戻したオルヴィエートでは、マリオーネ家とファルネーゼ家の政略結婚がおしすすめられていた。国家元首である父の命令に従うエレオノーラ。しかし、式の当日、彼女が乗るはずだった宇宙船は閃光とともに砕け散った――名目上の夫を乗せたままに。

 そして、再び波瀾の幕が開いた。

 夫殺しを疑われるエレオノーラ。老朽艦ばかりの艦隊の司令官となったジェラルド。<宙峡>を巡っての権力闘争は激化する。裏で糸を引く人物とは……?

+-+- 感想 -+-+

 一巻で散りばめられた個性が今回も絶妙にミックスされ、話を展開させていく。

 テンポのよい展開と、息もつかせぬ、艦隊描写。

 非常に、スペースオペラを見ている気分だった。

 

 やる気無しで、女好きの司令官。

 いくつもの仮面を持つ令嬢。

 年金生活を夢みて、そのためなら、盗みも働く不良将校。

 

 彼らの特徴を端的に書いただけでも、充分、ヒーローヒロインになれそうにない。そしてそのとおり、彼らは必ずしも正義の味方として振舞わないのだ。しかし、それが逆に非常に人間味が出て、現実感が乖離しそうな物語をつなぎとめているのだ。

 

 次の巻が非常に気になる終り方がしてあった。

 謎はまだ一つも解かれていない。

 

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