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 ◇「月の影 影の海(上)」 小野不由美 (講談社X文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 「あなたは私の主、お迎えにまいりました」

 学校に、ケイキと名のる男が突然、現れて、陽子を連れ去った。海に映る月の光をくぐりぬけ、辿りついたところは、地図にない国。そして、ここで陽子を待ちうけていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から踊り出る偉業の獣たちとの戦いだった。

 「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」

 陽子を異界へ喚んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、今始まる!

+-+- 感想 -+-+

 弱弱しい主人公である。

 平凡な女子高生が唐突にファンタジーの世界に…しかも妖獣などが襲い掛かってくるような状態に放り込まれたら、たぶん、そうなっちゃうだろうなと思ってしまう展開だった。

 しかも、徹底的に暗い。

 しかし、ページをめくる手が止まらないのは小野不由美の筆力であろう。

 

 過去の自分を振り返りながら、彼女は帰るという信念だけで、この異世界を切り抜こうとする。世界観の違う人たちの中で彼女は人の本質を知るが、同時にそれは自分の目をそらしていた部分だった!

 十二国記の始まりである

 

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