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◇「風の海 迷宮の岸(上)」 小野不由美 (講談社X文庫) ◇
+-+- あらすじ -+-+
麒麟は王を選び、王にお仕えする神獣。金の果実として蓬山の木に実り、親はいない。かわりに、女怪はその実が孵る日までの十月を、かたときも離れず、守り続けるはずだった。しかし、大地が鳴り、大気が歪む蝕が起きたとき、金の実は流されてしまった!
それから十年。探し当てた実は、蓬莱で“人”として生まれ育っていた。戴国の王を選ぶために連れ戻されたが、麒麟に姿を変える術さえ持たぬ泰麒――幼い少年の葛藤が始まる!
+-+- 感想 -+-+
泰麒は戸惑いながらも、自分の居場所が「あちら」ではなく「こちら」だと納得した。
だが、少年の理解は心とは関係なかった。「あちら」への愛惜や、まわりの期待のプレッシャー。少年にとってそれはとにかく重荷であった。
麒麟とはどんなものなのか?
麒麟として生まれながら人として育った泰麒はわからなかった。
王を選べ、使令をもてと言われても…
純粋な少年の戸惑いは一人の無愛想な麒麟によって、微妙な変化を起こした。
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