新潮文庫で出版されている「魔性の子」と二つで表裏をなすストーリー。
泰麒が蓬莱に流されてしまって、蓬莱で起こるストーリーを描いたのが「魔性の子」
そして、泰麒を失った後の十二国記を描いたのがこの「黄昏の岸 暁の天」。
前者がホラーであるのに対し、後者がファンタジーだというのが面白い。
もっとも、前者も事情さえわかれば、ファンタジーの部類に入ってしまうかもしれないが…
さて、上巻は泰麒を失う過程と、景王陽子の宮廷構成が綿密に描かれている。
共に、建国後の生活を描いているのは対比させているのかもしれないと僕は思った。
李斉を中心に泰の話は進められる。順風満帆のように思えた戴国に何が起こったのか?
その背景を綿密に描いていた。
泰麒を大事に思う李斉の思いが痛い。
花の話なんて特に泣けた。
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