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 ◇「黄昏の岸 暁の天(上)」 小野不由美 (講談社X文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 登極から半年、疾風の勢いで戴国を整える泰王驍宗は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。

 そして、弑逆の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒は、忽然と姿を消した!

 

 虚海の中に孤立し、冬には極寒の地となる戴はいま、王と麒麟を失くし、災厄と妖魔が蹂躙する処。人は身も心も凍てついていく。

 もはや、自らを救うことも叶わぬ国と民――。

 将軍李斉は景王陽子に会うため、天を翔ける!

+-+- 感想 -+-+

 新潮文庫で出版されている「魔性の子」と二つで表裏をなすストーリー。

 泰麒が蓬莱に流されてしまって、蓬莱で起こるストーリーを描いたのが「魔性の子」

 そして、泰麒を失った後の十二国記を描いたのがこの「黄昏の岸 暁の天」。

 前者がホラーであるのに対し、後者がファンタジーだというのが面白い。

 もっとも、前者も事情さえわかれば、ファンタジーの部類に入ってしまうかもしれないが…

 

 さて、上巻は泰麒を失う過程と、景王陽子の宮廷構成が綿密に描かれている。

 共に、建国後の生活を描いているのは対比させているのかもしれないと僕は思った。

 李斉を中心に泰の話は進められる。順風満帆のように思えた戴国に何が起こったのか?

 その背景を綿密に描いていた。

 

 泰麒を大事に思う李斉の思いが痛い。

 花の話なんて特に泣けた。

 

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